1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
お正月のバラエティ番組に飽きてきた1月4日、ザッピングをしていたらいきなりヒトラーが現れた。
年明け早々に歴史ドキュメンタリーでもやっているのかしらと思って見ていたら、『サンデーモーニング新春スペシャル 群衆と戦後70年』なる番組だった。
途中からなので細かいところまではよく分からないが、ヒトラーが当時のドイツ国民から圧倒的な支持をうけていたことを引き合いに出して、「我々も他人事ではありません」なんてナレーションが流れている。
『サンデーモーニング』という番組は、なにかとつけては安倍さんや麻生さんをヒトラーと重ねることで知られている。「またいつものやつか」とチャンネルを変えようとしたところ、「ル・ボンの《群衆》キーワード」なんてのを紹介しているが目に入って手が止まった。
ル・ボンとは19世紀末のフランスで活動した社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボン。1895年に出した『群衆心理』(講談社学術文庫)という著書のなかで、「群衆」というものがいかに暗示にかかりやすいか、そして指導者によって操作されやすいかということを述べた。それを踏まえて番組では「群衆」の特徴を以下のようにパネルで羅列していた。
(1)感染する
(2)過激に走りやすい
(3)衝動的である
(4)暗示に弱い
(5)時に高い徳性を示す
(6)国民も群衆化する
(7)反復・断言に弱い
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