2015年の鉄道業界はどうなる? 楽しい一年になりそうだ(前編)杉山淳一の時事日想(特別編)(3/4 ページ)

» 2015年01月02日 09時30分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

上野東京ライン開業で関東の路線網に変化

 3月14日のダイヤ改正で、関東では「上野東京ライン」がスタート。東北本線の上野駅と東海道本線の東京駅を結ぶ在来線の複線区間が復活する。東北本線・高崎線と東海道本線の相互直通運転が始まり、常磐線特急列車、快速列車の一部が品川駅まで乗り入れる。JR東日本としては、この直通運転により京浜東北線や山手線の混雑緩和を狙い、さらに田町の車両基地の容量を郊外へ分散させて、田町駅―品川駅間の新駅設置と再開発を進める考えだ。

 これまで直通する駅間を利用してきた人は乗り換えが不要になるが、その半面、上野駅や東京駅で「始発列車を狙って座る」が困難になるだろう。確実に着席するためにはグリーン車や「○○ライナー」など定員制快速列車の利用が確実。JR東日本にとっては増収も期待できそうだ。常磐線沿線の人々にとっては、東海道新幹線や伊豆方面の特急、品川から京急乗り換えで羽田空港方面が便利になるなどメリットが大きい。常磐線沿線の地価や賃料が上がりそうだ。

東海道新幹線がスピードアップ

 東京―中京・近畿間のビジネス利用客にとっては、東海道新幹線のスピードアップに注目だ。JR東海は2014年7月に国土交通省から東海道新幹線の最高時速引き上げの認可を受けた。現在は最高時速270キロメートルだが、最新型車両N700系のうち、最新型のN700AとN700系の更新版車両において、時速285キロメートルで運行する。東京駅―新大阪駅間の所要時間は従来の最短2時間25分から、最短2時間22分となる。

 たった3分の短縮ではあるけど、3分と言えば東海道新幹線の最短の運行間隔とほぼ同じ。スピードアップは所要時間の短縮より増発の可能性が高まるというメリットが大きい。

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