なぜセブン-イレブンは“王者”であり続けるのか仕事をしたら“2015年”が始まった(前編)(6/6 ページ)

» 2015年01月01日 09時30分 公開
[土肥義則Business Media 誠]
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コンビニ業界の“王者”に君臨

セブン-イレブンの“独走”は続くのか

川乃: ド定番を攻めることは、ものすごく大切。「ハンバーグ弁当」のハンバーグがおいしくなったら、お客さんは「また買おう」となる。いわゆるリピーターになるんですよ。でも「ハンバーグ弁当」のハンバーグの味が昔のままだったら、「じゃあ、他のコンビニのモノを買おう」となりますから。

 となると、「ハンバーグ弁当」の売り上げが落ちるので、店舗側は発注を控えますよね。結果、「ハンバーグ弁当」を買いに来たお客さんが「ハンバーグ弁当」を食べることができなくなるんですよ。

土肥: 悪循環に陥るわけですね。

川乃: ドーナツに話を戻しますが、セブンはミスドの“定番に近いモノ”を発売する。誰に何を言われようが、とにかく「自社で開発した」と言い切るわけです。一方の競合他社は、定番ではなく、枝葉のモノを発売するかもしれません。

土肥: あっ、なるほど。「ハンバーグ弁当のにんじん」のような感じで。

川乃: はい。

土肥: 競合他社は「ウチは、他社がこれまで扱っていない独自の商品を開発しました」とアピールする。しかし、それが売れなければ、次にド定番を発売するということですね。

川乃: いい感じで、ブレてますねえ(笑)。セブンのドーナツをみると、誰が見ても「ミスドの商品に似ているなあ」と感じるはず。しかし、セブン側は「基本的には独自に開発している」と反論しています。つまり、堂々とブレていない。こうした小さなことが積み重なって、セブンはコンビニ業界の“王者”に君臨し続けているのでしょうね。

つづく

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