――Webサービスにしたことで、ユーザー層や使い方は大きく変わりましたか?
月森: 変わりましたね。これまでは地元の方向けだったのが、日本全国の方に使っていただけるようになりました。「トランクルーム」ではなく「リアルなものをクラウドで管理するサービス」として受け入れてもらえたからだと思います。
――預かるモノは変わったんでしょうか。
月森: 洋服、書籍、CD、アルバム……といったものが主なので、それは今までとあまり変わらないですね。あと、趣味のものが多いのは少し変わった特徴かもしれません。例えばフィギュアとか。
――なるほど! 結婚などを機に、趣味のモノを片付けなくてはいけなくて預ける男性は、多そうですね。
月森: 確かにフィギュアなんかはそうですね。預けたものが一つ一つリスト化されて管理しやすいのが良いのだと思います。
――ほかに、minikuraのサービスを始めて、それまでのトランクルーム事業から変わったところはありますか。
月森: (minikura MONOでは)箱を開けてスタッフが一点一点中のアイテムを撮影するのですが、これによって可能性がすごく広がりましたね。箱をそのままお預かりするのではなく、中身を見たことが大きい。たとえば洋服なら「クリーニングと組み合わせたら?」と思うし、アルバムなら「デジタルデータ化しよう」とか。あと、アイテムを売れたらいいよね、ということで始まったのがヤフオク!に出せるサービスです。
――なるほど。ただ預かるだけじゃなく、他のサービスと組み合わせてみようという可能性が広がったんですね。
月森: 「社内だけでもいろいろ思いつくんだから、他の企業にはきっともっとアイデアがあるんじゃないか」と考えるようになりました。そして実際、2013年秋頃から、他社から提携しようという話が来るようになったんです。
――預けたモノをヤフオク!に出せる、といったサービスが代表例ですよね。ヤフオク!以外だと、どのようなところと提携されていますか?
月森: バンダイ、アニメイト、NTT、エニグモ、エイブルなど、いろいろですね。これはきっと、もっといろいろなアイデアがあるんじゃないか……ということで、9月にはビジネスコンテストを行い、アイデアの公募を始めました。
――「日本アカルミー賞」ですね。
月森: はい。スタートアップ企業の人たちから「minikuraのサービスを使いたい」と言っていただけるようになりました。minikura APIを提供するので、それを使った商品やサービスを考えて、ということですね。
モノを預かって管理する、動かす、という機能は(寺田倉庫には)もともとあるんですが、これはIT系のベンチャー企業には難しい。でも、どう商品を作るかとか、どういうUIにしてどうアプローチするかといったUI部分が得意なので、そこはminikura APIと組み合わせてもらおうと。みんなのアイデアを形にすることに、今後はもっと力を入れていきたいと思っています。
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