実はいままで、JR東日本の駅売店ではサイコロキャラメルを販売していなかった。明治がサイコロキャラメルの拡販を検討しているところに、jekiから鉄道キャラメルを提案したという経緯だ。鉄道キャラメルは明治にとって販路拡大の、JR東日本リテールネットにとっては売店売り上げ増進の戦略商品だと言える。ただし、戦略商品と言えども、税込み単価162円、販路も限定されているから、宣伝予算はゼロ。鉄道キャラメルは売店の棚の中で、「鉄道好き」と「サイコロキャラメル懐古世代」に見つけてもらえる日を静かに待っていた。
そして約1カ月。鉄道キャラメルは、ブログやSNSを通じて楽しさが伝わりつつある。ネットで「鉄道キャラメル」を検索すると、並べて遊んだり、クリスマスツリーやリースにぶら下げたりと、親子で楽しんでいる様子がいくつも出てくる。クリスマスも終わり、そろそろ鏡餅がサイコロ電車でデコレーションされそう。
その中でも傑作だったのは、空き箱にモーターを仕込んで走らせてしまった人だ。
2007年ごろからNゲージ鉄道模型用に、サイコロキャラメルの箱に収まる動力ユニットが販売されている。その名も「キャラメルN(ナイン)」という(参考リンク)。製造販売はアイコムという会社。同社は「世界最小のNゲージ量産動力車」として、サイコロキャラメルサイズのかわいい機関車を作っている。そのラインアップの中に、車体を自作する人向けのモーターと車輪のキットがある。このキットに箱をかぶせるとキャラメルが走り出す。
鉄道キャラメルの絵柄になったE231系やE233系はJR東日本の標準型通勤電車だ。首都圏の各路線で導入されている。鉄道キャラメルの今後の展開は未定だが、「本商品の動向を見て検討したい」とのこと。マーブルチョコレートのように「ご当地電車版」ができたら楽しい。
駅の売店の商品といえば、定番商品+お土産で、商品の入れ替え頻度は小さいというイメージだった。しかし実際には、面積が限られた棚の中で売り上げアップへの努力が続いている。
サイコロキャラメルは「鉄道テイスト」を追加することで売店の棚を獲得した。しかも3路線だから1本ずつ3列、あるいは2本ずつ6列の陳列になっている。路線別では山手線が一番売れているという。しかし、京浜東北線の某駅のNEWDAYSでは、中央線2列、山手線2列、京浜東北線4列だった。地元の電車に親しみがあるからだろう。
駅売店の観察が楽しくなってきた。今後、この流れが他の商品にも応用されるか注目していきたい。
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