フィットネスクラブ感覚で始められる婚活サービスプロポーズされ「る前も」、ゼクシィ(2/3 ページ)

» 2014年12月25日 13時30分 公開
[渡辺まりか,Business Media 誠]

オープンで身近な“フィットネスクラブ”のような婚活サービスを提供したい

 出会いを作るため、昔であれば、会社の上司や年長の親戚などが仲人となり、お見合いをセッティングすることがあった。現在ではまだ見ぬパートナーとの出会いのために「婚活サービス」がある。しかし、そのような結婚相談サービスを利用しているのは、結婚願望があり恋人のいない人のうちわずか2.6%だという。

「日本の婚活支援サービス利用状況」

 なぜ利用率が低く、限られた人しか利用していないのかを同社が調査したところ、既存サービスの次のような問題が明らかになった。

  1. 手の届きにくい価格帯
  2. サービスに対する誤解
  3. 身近なサービスの不在
リクルートゼクシィなび代表取締役社長・貝瀬雄一氏

 (1)について、貝瀬氏は「本気で結婚したいと思っても、申し込みをためらってしまうほどの金額」と述べる。その入会金は10万円超だ。しかもその後は月会費やお見合い費もかかる。成婚料なども含めれば、登録後1年で相手を見つけたとしても全体にかかる金額は20万から40万円だという。「年収400万円以上の人が、意を決して利用するサービス、というイメージです」(貝瀬氏)

 (2)について、「登録者の中に良い人がいないのではないか」「(そのような中でも登録したからには)すぐに結婚の決断を迫られるのではないか」という誤解を持っている人が多いという点にもゼクシィは注目した。

 「私たちはこれまで不透明で選びづらかった結婚式場の情報をオープンにし、結婚を決めた男女が気持ち良く式の日を迎えられるようにサポートしてきたという自負があります。ならば結婚を決めるまでにも、“より楽しく”“情報がオープン”で“手の届きやすい価格帯”のサポートサービスを作れないか。それによってこの社会問題に向き合えないだろうか。そう考えてローンチするのが『ゼクシィ縁結び』とその姉妹サービス『ゼクシィ恋結び』なのです」(貝瀬氏)

 両サービスとも出会いを作り出すものだが、恋結びの方は少しカジュアルだ。料理教室の「ABC Cooking Studio」や日本旅行などいくつかの企業・団体と提携し、利用者の趣味や好きなことから出会いの場を作り出していく。

 また、偶然の出会いを演出する「ゼクシィ恋結び」アプリもリリース。登録にはFacebookアカウントとの連携が必要となっている。登録者の中から気になる人を見つけ、お互いに「いいね!」が送信されたらマッチング成功、という仕組みになっている。アプリのダウンロードは無料だが、マッチング後、メッセージのやり取りをする場合には月会費がかかる(ただし、やりとりする相手の数、メッセージの送信数に制限はない)。

「ゼクシィ恋結び」アプリ

 他方、ゼクシィ縁結びでは、楽しく相手を見つけたい人向けにリアルな出会いの場を用意する「パーティー」、従来の1人でじっくり見つけたい人に最適なデータベースによるマッチングシステムを採用した「ツインキュ」に代わるサービス「ネット」、より成婚率を高めるためにアドバイザーに相談できる「相談所」という3つのサービスを提供する。自分の状況に合わせてサービスを使い分けられるようにしたという。

 特に成婚率を高めるためには、人が介在する相談所サービスと、マッチングのためにある程度会員数のそろったデータベースが不可欠であると判断した。

 そこで、これまで業界平均の2〜3倍の成婚率を実現しており、既に1万人の会員が登録しているパートナーエージェントとの提携も発表。「両社合わせて、3年で5万人規模の会員データベースを作り上げ、多くの会員の中から自分にマッチする人を選べるようにしたい」と貝瀬氏は意気込む。

「パートナーエージェントの婚活プログラム」

 これまでの婚活サービスのハードルを上げていた金額についても、貝瀬氏は「限られた人だけでなく、広く一般的なサービスと認識してもらえるほど入会費を低く設定する」と説明する。具体的な金額は明らかにはしなかったが、「これまで提供されてきたサービスの3分の1以下にまで下げる。フィットネスクラブ感覚で申し込んでもらえるのでは」(貝瀬氏)としている。本気で婚活したくても、サービスに申し込めないのでは意味がない、ならば気軽に申し込めるような価格帯にしてハードルを下げる、というのが狙いのようだ。

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