そうした流れの中で突入した2014年。30周年企画の商品である「ビックリマン オールスター」は、コアなファンに加えて、若者を中心としたライトユーザーの取り込みに成功し、従来の商品と比べて1.5倍以上の回転を見せているという。「通常だと1度売り上げの山ができると下降するが、オールスターは、山のピークで維持している」と本原氏は胸を張る。
新規顧客の取り込みにおいては、ソーシャルメディアも有効に働いた。新しい商品やキャンペーンを打つたびにネット上に拡散したのである。本原氏は「ビックリマンはネットでバズりやすいブランドだと認識している。そのため商品のネーミングやキャンペーンの仕掛けなどには常にこだわっている」と話す。例えば、原画展では、来場者自身がビックリマンシールになれるような写真撮影スポットを用意し、「君もスーパーゼウスになれる!」などと呼び掛けた。
こうした話題を呼ぶようなマーケティング施策は、実はビックリマンが誕生した当時から培われたものだという。
「顧客をビックリさせたり、驚かせたりすることを常に意識している。それはこの商品が生まれたコンセプトであるし、かつての担当者も大事にしていた。その積み重ねが結果としてロングセラーにつながったのではないか。これからも『ビックリマンって面白いよね』と拡散したくなるようなマーケティングを展開していく」(本原氏)
もう1つ、ブームを作り続けていく上で心掛けているのは、「勢いを止めないこと」だとする。話題を作り、世の中から注目を集めても、ひとたび止めてしまうと、消費者はすぐに忘れてしまう。「さまざまな角度から新しいネタやニュースを提供し、常に人々の意識の中にビックリマンがあるようにすること、そうした連続性が重要なのだ」と本原氏は力を込めた。
30周年の今年、多くの話題を届けてくれたビックリマンは、世のオジサンたちをとりこにしたはずだ。筆者もオールスターシリーズの大人買いを連発してしまった(笑)。クリスマスに発売する30周年記念商品の「ビックリマン福袋セット」も大いに気になるところである。
間もなくメモリアルイヤーは終わるが、ビックリマンの盛り上がりは終わらない。2015年も引き続き、ユニークな企画や斬新なアイデアが目白押しとのことだ。ぜひこれからも我々消費者をビックリさせてくれるのを楽しみにしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング