海外に広がる小林製薬の「熱さまシート」――成功の裏に何が起きていた?仕事をしたら“1億8000万枚”売れた(4/6 ページ)

» 2014年12月17日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

店の展開状況と広告の連動

秋田: 商品がすべての店に採用されていて、広告を見たお客さんがそれを買う――これが理想の形。こうした状況になれば、よく売れます。しかし、先ほども申し上げましたが、マレーシアでは店での採用に苦労しました。

土肥: で、採用されたので、売り上げが伸びたのですね?

秋田: いえ、そんなに簡単にはいきませんでした。次に、お客さんが商品を見つけられないという問題が出てきました。

土肥: どういうことでしょうか?

秋田: 店で採用されても、目立つところに置いていただけなかったので、お客さんは商品を目にすることが難しかったんですよ。広告を見ているので商品のことは知っているけど、店で見つけることができない。なので、なかなか売り上げが伸びませんでした。

 店頭の目立つところに商品が並ばない、という状況が長く続いたので、ものすごく不安でした。ゆっくりとしたスピードで店頭に並んでいったのですが、販売状況が悪ければ棚から商品が外されるかもしれません。他の商品でこうした経験をしていますので、「熱さまシートも外されるかもしれない。なんとかしなければ」という焦りを感じていました。

 ただ、地道にドラッグストアや個人薬局などを回っていくうちに、徐々に目立つところに置いてくれるようになりました。そのタイミングで再び広告を打ったところ、売り上げが伸びていきました。

土肥: それが「店の展開状況と広告の連動」ということですね。

秋田: はい。

世界約20カ国・地域で展開している

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