このように、店舗、オンラインと販売チャネルを開拓してきたファンケルだが、実は顧客はそれぞれ固定化されており、「両方を併用している顧客は2割程度」(ネット営業部 部長の佐野博一氏)だという。そこで今後力を入れていくのが、ネットと店舗を組み合わせたマーケティング戦略である「O2O(オンライン・トゥー・オフライン)」だ。ネットで獲得した顧客を店舗に誘導、あるいはその逆を行う。
そのための有効な“武器”として同社が活用しているのが「LINE」である。2013年6月に公式アカウントを開設し、フォロワーに店舗やオンラインで使える割引クーポンなどをプレゼントすることで、新規顧客を積極的に増やしている。現時点でフォロワーは700万人に上るという。
実はこのフォロワーの大多数は、同社の通販あるいはオンラインの既存会員ではない。その背景には、住所などの情報を入力しなくても気軽に登録できる点が大きいということがある。また年齢層も従来の会員と比べて低いそうだ。
「O2O施策に加えて、会員でない人たちに対してもアプローチできるのが(LINEの)大きなメリット」(保坂氏)
顧客との距離を縮めるようなさまざまな施策によって、より多くの消費者の心を掴みたいファンケル。再び売り上げの成長曲線を描くためにも今後の取り組みに注目が集まっている。
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