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» 2014年12月03日 09時55分 UPDATE

LINEも活用:反転攻勢となるか? 広がるファンケルの販売戦略 (1/2)

2015年度に営業利益率8%を目標に掲げるファンケル。それに向けて店舗とオンラインそれぞれ、さらには双方を組み合わせた新たな販売戦略を推進している。

[伏見学,Business Media 誠]

 長らく低迷を続けていた化粧品販売のファンケルが、“大改革”によってじわじわと復調の兆しをみせている。

 2013年6月に創業者・池森賢二氏が代表取締役会長としてビジネス現場に復帰。2014年4月には持株会社体制に移行して、化粧品部門をファンケル化粧品、健康食品部門をファンケルヘルスサイエンスという新たな事業会社を設立した。

 持株会社体制の狙いは2つ。1つは、事業ごとの専門性および自立性を高めることで、意思決定やビジネスのスピードを速めるほか、コーポレートガバナンスを強化する。もう1つは、グローバル対応の強化による事業の拡大である。

 こうした新戦略が功を奏したのか、先ごろ発表された2014年上期のグループ連結決算で、売上高は365億4200万円と前年同期比で5.7%減と苦しんだが、純利益は5億7300万円(前年は5億3700万円の赤字)とプラスに転じた。通期の見通しは前年比63.7%増の22億円としている。

コンビニとの協業で販路拡大

 ファンケルのビジネス成長の鍵を握るのが、販売チャネルの強化だ。

ファンケルの主力商品である「マイルドクレンジングオイル」は2014年前半にTVCMを集中的に実施した ファンケルの主力商品である「マイルドクレンジングオイル」は2014年前半にTVCMを集中的に実施した

 同社は1980年、化粧品に対する女性の不満、不安、不快など「世の中の“不”を解消する」という創業理念の下、無添加化粧品の通信販売から事業をスタートした。その後、1995年に初のアンテナショップを静岡にオープンして直営店舗展開を開始、1997年にはEコマースのWebサイトを開設するなどして、販路の拡大を進めてきた。

 さらには、長年にわたって直販ビジネスを中心にしてきたファンケルだが、小売・流通企業との連携でさらなる事業成長を図っているのだ。

 2014年4月から消費者との新たな接点を作るために、パートナーシップを結んだ全国約7000店舗のドラッグストアで化粧品「マイルドクレンジング オイル」と「洗顔パウダー」の販売を始めた。このほか、コンビニエンスストアとの連携も強めている。同じく4月にローソンと提携して無添加化粧品5アイテムを発売したほか、同年11月には、セブン&アイホールディングスと共同開発したプライベートブランド化粧品を発売した。

ネット販売が半数を超えた

ファンケルの保坂嘉久取締役(左)と佐野博一部長 ファンケルの保坂嘉久取締役(左)と佐野博一部長

 こうしたリアル店舗での営業強化とともに推進するのが、インターネットでの商品販売だ。ECサイト「ファンケルオンライン」の現在の会員数は約360万人に上り、2013年にはネットの通販受注率が55%と半数を超えた。

 中でも昨今、オンラインの成長をけん引しているのがスマートフォンからの注文である。同社 取締役 執行役員 ネットチャネル合同チーム リーダーの保坂嘉久氏によると、現在スマホ経由での商品購入は全体の約34%で、特に30代会員の利用が多いという。2014年初頭にはiOSおよびAndroid向けにスマホアプリ「FANCL お買い物アプリ」をリリースした。既に1万件以上のダウンロードがある。

 このアプリによって消費者の利便性が向上。ブラウザ経由のアクセスよりも商品購入までの時間が約2分短縮したほか、以前は約3.5回だった会員一人当たりの平均年間購入回数が、約0.5回増加した。

 「今後ますますスマホ利用者の割合は増えるため、アプリの機能改善やスマホ向けサイトのデザイン改良などを進めていく」(保坂氏)

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