部下としての経験が浅い上司(ややこしいフレーズですが、そういうことだから問題が起きるのだと認識してください)が、より良い上司になるためにできることとは何でしょうか。
まずは「成長、もしくは弱点克服をあきらめない」ことです。
前述の若手上司も「いまさら人間力をつけろといわれても、無理な相談ですよ」と自嘲気味に話していましたが、そんな話をしても事態はよくはなりません。向き不向きを考えて配属をしてくれと、さらなる上長にかけあうという手段も残っていますが、おそらく組織としては「あなたには、そろそろこのポジションにつき、上司としての役割を果たしてほしい」という意思を表示しているわけですから、いい方法とは言えません。
裏を返せば「それができなければ、ここではあなたを必要としません。少なくとも、今と同等の待遇では」という話になるはず。逃げずに弱点に立ち向かうためには「まだ自分は成長するのだ」という意思をまずは持つこと。これに尽きるのです。その覚悟ができたら、以下のことを試してみるといいでしょう。いずれも当たり前のことです。
部下の上司に対する不満は、一見するとケースバイケースに思えますが、実はそれほどバリエーションはありません。仕事に進め方に問題がある、モノの言い方に不満がある、押し付けてくる価値観に疑問がある、その程度です。
だとしたら、まずは、自分が抱えている問題を整理し、その上で、うまくいっている上司を見つけて、注意深く観察することから始める。必ず、自分との違いが見つかるはずです。このとき大切なのは、見つけた違いを「個人の差」という言葉で片付けないこと。「あいつだからできる、私とはキャラが違うから」というセリフで済ませると、先に進めなくなります。恥ずかしがらずに、他の人がうまくやっている方法をまねして、同じように試してみるのがポイントです。
その上で「先送りしない」ことです。逐次対応するようにしましょう。いま起きている問題が自分にとって苦手な場合、多くの人は、解決しないで先送りにしがちです。忙しい人なら「できなかった言い訳」の材料には、事欠きません。ただ、トラブルの芽は小さいうちに摘み取っておかないと、事態はさらに大きくなります。もともと苦手なことなのに、さらに大きくなってしまったら、自分の能力だけでは、それを収拾することなどできません。逃げないで、サッサと片付けてしまうこと。それを心がけるだけでも、かなり違ってくるはずです。
思い立ったらすぐにやる、苦手なことを先送りしない。こういう話って、小学生の頃から周囲の大人に耳にタコができるくらい言われ続けてきましたよね。でも、改めてここで書きます。大人になると、誰もこういうことは言ってくれなくなるからです。
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