丸亀製麺が出店に急ブレーキ……次の一手はどうする?粉から粉に(2/3 ページ)

» 2014年11月26日 07時25分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

丸亀製麺の出店数が急速に減少

「肉盛りうどん」

――丸亀製麺の出店数が急速に減少しています。2014年度は国内で88店舗出店しましたが、この4〜9月は10店舗(グループは13店舗)にとどまりました。

トリドール(以下、トリ): 既存店の売り上げが苦戦しているのですが、その要因のひとつに「カニバリ(共食い現象)」がある。不採算店舗については閉店したほか、業態転換したところもある。

――どのような業態に変更されたのですか?

トリ: 埼玉県ふじみ野市の近隣に、丸亀製麺が4店舗あった。ここの既存店の売り上げが減少していたので、2013年12月にふじみの店を「コナズ珈琲」にした。コナズ珈琲はパンケーキなどを扱うカフェだが、この業態に転換することで2つの効果があった。

 1つは「トランスファーによる効果」。丸亀製麺を1つ閉鎖することで、そこの売り上げのうち約2割が残りの3店舗に移転した。もう1つは「売上増の効果」。カフェ業態への転換によって、丸亀製麺のときと比べて売り上げが約2.4倍に。現状、月の売り上げは1500万〜1600万円で推移しているが、8月には1800万円を超えるなど好調だ。

――新業態はカフェ。丸亀製麺とは全く違う業態なので、効率が悪いのではないでしょうか?

トリ: ご指摘のとおり、仕入れコストを引き下げることはできないかもしれない。うどん店とカフェは違うモノだが、全く違うとは言い切れない。どういうことかというと、丸亀製麺の特徴は、店内で製麺したできたてのうどんを提供していること。コナズ珈琲の特徴は、店内でつくったできたてのパンケーキを提供していること。弊社の強みは、“できたて”という付加化価値を提供できることだと思っている。また、丸亀製麺で培ったノウハウ……例えば「粉」についてはコナズ珈琲でも生かすことができている。

――新業態を増やす予定はありますか?

トリ: ショッピングセンターの中で展開している「ラナイカフェ」を含めて、カフェ業態は6店舗ある。ラナイカフェについては、商業施設からの引き合いがあるので、今後店舗数が増えるかもしれない。ただ、まだ実験段階の部分も残っているので、収益性を確保しながらチャンスがあれば店舗数を増やしていきたい。

――丸亀製麺のカニバリは今後も続くのでしょうか?

トリ: 現在赤字の店舗は20〜30ほどある。その店については閉店または業態変更の対象になるだろう。こうした取り組みによって、カニバリは解消されるのではないだろうか。

丸亀製麺の不採算店舗をコナズ珈琲に転換したところ、売り上げがアップした

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