「厳罰化」で解決できるのか 企業の秘密漏えい問題窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

» 2014年11月25日 08時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]
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公権力が技術流出に介入

 実は今回の見直しのなかでもうひとつの大きなポイントは、このような日本企業の技術流出に対して「政府の関与を強める」ことにある。外国企業が生産した「パクリ品」の輸入を差止めることもできるようにする。これは、日本の技術流出がこれ以上野放しにならぬよう、いよいよ公権力がしっかりと介入をしていくということだ。

 不正競争防止法の厳罰化というのは、特定秘密保護法同様、「日本の国益を守るため」という大義名分のもとで進められている。

 ただ、国家権力を強めたら「スパイ」がきれいに消え失せたという話はあまり聞いたことがない。むしろ、こういう発想がエスカレートしていくと、「あいつが裏切り者に違いない」と互いに背中を指し合う監視社会になる。

 「裏切り者」への罰を厳しくすることもたしかに必要だ。が、それよりも大切なのは、そもそも「裏切り者」が生まれないような仕組みをつくることなのかもしれない。

不正競争防止法が見直されれば、政府の関与が強まる!? (写真はイメージです)
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