日米野球を行う意味はあったのか? 侍ジャパンにたちこめる暗雲赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2014年11月20日 08時17分 公開
[臼北信行,Business Media 誠]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 どうもパッとしなかった。「2014 SUZUKI日米野球」が行われ、メジャーリーグ・オールスターチーム(MLB選抜)を相手に日本代表・侍ジャパンは東京、大阪、札幌で全5試合を戦ったものの、その注目度はイマイチ。それはビデオリサーチ社が発表した試合中継の関東地区・平均視聴率にも如実に現れている。

11月12日に日本テレビ系列で放送された日、米野球第1戦は8.7%とゴールデンタイムにも関わらず2ケタを割り込んだ。14日の第2戦(日本テレビ)も7.3%と前試合の数字を下回り、ほぼ同時間帯に放送された「サッカー 日本代表VS. ホンジュラス代表」(テレビ朝日)が15.5%をマークしたことで「アギーレ・ジャパン」との“直接対決”にも完敗を喫する格好となった。侍ジャパンに対する世の中の無関心ぶりが改めて鮮明になってしまったと言えるだろう。

 今季15勝をマークした岩隈久志(マリナーズ)や6月にメジャー初昇格を果たして4勝をマークした和田毅(カブス)の日本人メジャーリーガー2人を擁したとはいえ、確かに相手のMLB選抜にはどうひいき目に見ても「誰もが知っている超大物」と呼べるクラスの選手がほとんどいなかった。

 ダルビッシュ有(レンジャーズ)や田中将大(ヤンキース)といった一般的にも知名度の高い人気メジャーリーガーがメンバー入りしていれば、もう少し世間からの関心を引き寄せられたかもしれない。しかし、たとえダル、マー君などネームバリューのあるメジャーリーガーの参加が実現していたとしても「結局は我々が期待したような大フィーバーは起こらなかっただろう」というのが、主催者側であるNPB(日本野球機構)関係者の“総括”だ。

 その理由は単純明快。8年ぶりに実現した今大会の日米野球が「一体何のための試合なのかよく分からない戦い」になってしまったからだ。

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