かつては「インターネットは文化や国の違いを超えて、世界の交流を促進する」「抑圧的な政権を打倒する」というバラ色の「インターネット・ユートピア」が喧伝(けんでん)された。エジプトやリビアで起きた市民革命でネットが活躍したことを思い起こせば、まんざらウソでもないと思う。
だが、一方では、醜悪としかいいようがない、暴力や破壊、差別や憎悪に満ちた「インターネット・ディストピア(ユートピアの逆)」が出現している。結局はネットは「ポジティブな方向」にも「ネガティブな方向」にも変化を加速させたに過ぎない、という至極単純な結論に至る。こうした「ユートピア」と「ディストピア」の極端な分裂もネット世界の現実だろう。
こんな情報カオスの海で溺れてしまわないためのコーチング。教師のいなくなった教室で、数人の生徒の横に腰かけて手助けするチュータリング。私が本連載でできることはそんな感じかな、と思っている。(次回、12月4日掲載予定)
- なぜマスコミは“事実”を報じなかったのか
原発事故は「戦後最大のクライシス」と言っていいだろう。しかし新聞を読んだり、テレビを見て、「よく分からなかった」という人も多いのでは。原発報道のどこに問題があったのか、ジャーナリストの烏賀陽弘道氏と作家の相場英雄氏が語り合った。
- NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。
- なぜマスコミはインチキをしても「ごめんなさい」と言わないのか
普通の企業ならば謝罪会見モノの不祥事が発覚しても、しれっとした顔でやり過ごしている業界がある。言わずと知れた、マスコミだ。なぜ彼らは意地でも頭を下げないのか。そこには一般人にははかりしれぬ“美学”があったのだ。
- 何が問題なのか? メディアにころがる常識
メディアが構造的な問題に苦しんでいる――。購読部数の減少、広告収入の低下などさまざまな課題が押し寄せているが、解決の糸口が見えてこない。こうした問題について、ジャーナリストの津田大介氏と社会学者の鈴木謙介氏が語り合った。
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