「分かる」は意外と分かりにくいなぜ、あなたの言葉は伝わらないのか?(2/4 ページ)

» 2014年11月17日 05時00分 公開
[黒川裕一,Business Media 誠]

「しっかりやれよ」と言われても……

 では、人がリアクションをしてくれるのはどういう場合でしょうか?

 そもそも相手にとって、あなたの言っていることがまったく分からなければ、リアクションのしようがありません。さらに重要なのは、あなたの言っていることがある程度分かっても、それがあいまいだったら、結局、相手が分かったことにはならないということです。

 例えば、「しっかりやれよ!」。「しっかり」という言葉の意味するところは、誰でも何となくは分かっているつもりです。しかし、こう言われたとき、具体的に何をどうすればよいか分からなければ、リアクションには結びつきません。

 さらにいえば、あなたの言っていることが分かっても、リアクションできない場合もあるということです。

 例えば、テニスのうまい人に「ボクがやっているようにやってごらん」と言われた場合を考えてみましょう。この人の言っていることの意味はもちろん分かりますし、極端にあいまいな物言いをしているようにも聞こえません(先の図のエリア2)。しかし、こう言われたときの本音は「やれるなら、とっくにやってるよ!」ではないでしょうか。

 だから、分かりにくくて実行しづらい言葉(図のエリア3)を、頭で分かり、体で実行できる言葉(図のエリア1)へと変えるのです。

 後者を「アクション言語」と呼ぶことはすでに紹介していますが、前者にも名前をつけ、「ふわふわ言葉」とします。

 実は、私たちが日ごろ使っている言葉の大半は、「ふわふわ言葉」です。数字で表すと、確実に9割をはるかに超えます。

 だから、伝わらない。
 だから、相手が動かない。

 これが問題であり、それには「アクション言語に切り替える」という極めてシンプルな解決法がある、というのが結論です。

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