私たちは人生経験を積めば積むほど、ついつい次のような「大人のルール」に従いがちです。
期待が裏切られない限り「自分の言葉は通じているもの」として前に進む。
私たちのコミュニケーションには、もうひとつ重要な傾向があります。それは、抽象的であいまいな言葉を使いがちであるということです。
例えば、たいていの上司は、部下に指示を出すとき、あれこれ細かいことを言うかわりに、「頼むぞ」「しっかりやれ」などと言って手短に済ませるものです。細かいことを言うのは自分も面倒ですし、あまり細々したことまで言われると相手も不愉快。だから、自然に抽象的であいまいなところに落ち着きます。
これも、一種の「ラク」というわけです。
具体的な物言いをせず、抽象的であいまいなところに落ち着かせる。
ところが、こうしてラクをした結果、先の例のようなコミュニケーションストレスが現実に引き起こされてしまいます。つまり、効率がいい「落としどころ」であるはずの大人のルールを守れば守るほど、かえって効率が悪くなり、ひどい場合には互いの関係まで悪化してしまうという、とんでもない矛盾で私たちの日常はあふれかえっているのです。
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