ミニストップ+パステル=なめらかプリン――商品開発の裏話を聞いた女性客を開拓(2/2 ページ)

» 2014年11月12日 13時45分 公開
[伏見学,Business Media 誠]
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女性客の取り込みに一役

ミニストップ 第一商品本部 スイーツ商品部 マネジャーの中間美奈子氏 ミニストップ 第一商品本部 スイーツ商品部 マネジャーの中間美奈子氏

 ところで、なぜミニストップはパステルと協力したのか。その理由について、ミニストップ スイーツ商品部の中間美奈子マネジャーは「パステルのブランド力によって女性客のさらなる開拓を期待した」と話す。

 同社では約2年間、プリンパフェを販売していなかった時期があった。ちょうどそのころにスイーツ商品開発担当に就いた中間氏は、プリンパフェの新しいイメージを打ち出すため、さらにはコンビニでは少ない女性客層を取り込むために、ぜひパステルと共同開発したいという思いが最初からあったのだという。

 「プリンパフェのメインターゲットは男性客だったが、パステルと手を組むことで、より多くの女性客にも興味を持ってもらえるはずだと考えた」(中間氏)

 一方、パステル側にも狙いがあった。さらなる販路拡大に向けて、パートナーとなるコンビニなどを探していたため、このたびのミニストップからの打診はまさに願ったりかなったりだったという。とりわけ店内調理に定評があるミニストップだったということも大きな決め手となった。

 2013年1月に両社は初顔合わせし、約半年間の商品開発などを経て、9月末になめらかプリンパフェを全国で発売した。

店舗スタッフでも作れる高品質なプリンパフェを

パステル 営業戦略室 デザート商品開発 課長の宮根聖征氏 パステル 営業戦略室 デザート商品開発 課長の宮根聖征氏

 ただし、商品化に向けてすべてがスムーズに進んだわけではない。専門店で出す味わいをコンビニで提供するというのは一筋縄ではいかなかったのだ。パステルのパティシエで、営業戦略室 デザート商品開発の宮根聖征課長は、「当初はあまりにも完璧さを求めるあまり、とてもコンビニで提供できるようなレベルのものではなくなってしまった」と振り返る。

 具体的にはコストとオペレーションである。特に後者に関して、実際に現場でデザートを作るのは店舗スタッフなので、パティシエしかできないような高度な技術を要する工程は省く必要があった。何度も試作を繰り返し、できる限り手順を簡略化した。ただし、「味の品質には徹底的にこだわり続けた」(宮根氏)ことで、結果的にパステルというブランドに恥じないプリンパフェの具現化にこぎつけたのである。

 上述したように、デビュー年ながら大きく売り上げに貢献した商品となったため、2014年10月、さらなる進化を遂げて再び販売することとなった。昨年からの改良点として、宮根氏は「乳味」を挙げる。プリンで使う生乳の配合を高めることでより濃厚な味わいにした。さらにソフトクリームにも改良を加えたことで、全体的に“なめらかさ”を強めたという。


 今年は第2弾商品として「塩キャラメルなめらかプリンパフェ」を11月に発売し、さらなる共同開発商品も進めているという。男女問わずコンビニスイーツファンをあっと驚かせるような両社の取り組みに今後も注目したい。

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