「e-ミミ」の登場はそのような聴覚障害者に大きな希望を与えた。一例を挙げよう。沖縄県南風原市の高校に通う聴覚障害者の女子生徒は、成績不振に苦しんでいた。教師の唇を必死に読み、板書もしっかりとノートにとっていたにもかかわらず、授業についていけなくなってしまったのだ。
理由は簡単だ。みなさんも記憶にあるかもしれないが、教師というのは重要なところに限って、黒板にカリカリと書き込みながら、「ここは大事だからテストに出るぞ」などと言うのだが、この時教師は生徒に背中を向けている。つまり、女生徒には唇が見えず、授業のポイントが分からないのだ。
この問題を解決したのが、「e-ミミ」だった。授業中、教師の横にスマホを置いておくだけで、女子生徒のデバイスにはこれまで知ることのできなかったさまざまな言葉が伝わったのである。
「成績が悪くなって2〜3年経ってからウチの『e-ミミ』で支援をしたのですが、最終的には学年3位にまで成績が上がりました。現在は沖縄大学に進学しています」(一瀬社長)
これだけでも「e-ミミ」に社会的意義があることが分かる、個人的にはもうひとつぜひ導入してもらいたいところがある。それは議会や役所の議事録だ。
こういう仕事をしているので、地方議会や役所のうんたらかんたら委員会とかの議事録をすぐに見たくて問い合わせることが多い。すると、「まだでてきていないですね」なんて答えが多いのだ。下手すると議会が終わってから3カ月くらい議事録がでないことも珍しくない。
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