クラウドの決め手は「そのサービス、簡単にやめられる?」半径300メートルのIT(1/2 ページ)

» 2014年10月27日 13時30分 公開
[宮田健,Business Media 誠]

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。


 筆者が使っているMacBook Proには、購入時に奮発して512GバイトのSSD(ソリッドステートドライブ)を組み込みました。同じ容量のHDDと比べて価格は約10倍となりましたが、「これなら自分の音楽/映画ライブラリまで持ち運べる」と喜んだものです。

 しかし今日、SSDにあるのは、そのほとんどがOS領域のみ。せっかく購入した大容量SSDも半分以上が空いたままになっています。なぜなら、音楽や映画のライブラリはiTunes Matchでクラウドの向こうにあるからです。各種ファイルもOneDirveに保存していて、メモもクラウドサービスで管理しています。

クラウド依存で考えなくてはならない「ロックインの恐怖」

 とはいえ、クラウドサービスで気になるのは「ロックイン」です。ロックインは、特定サービスを一度使ってしまうと「ほかのサービスに逃げ出すことができない」という現象のこと。

 利用中のクラウドサービスが終了してしまうと、その問題は顕著になります。例えば、最近だとTwitterを使った画像共有サービス「Twitpic」やクラウドバックアップサービス「Bitcasa」が終了することで、ユーザーに大きな困惑が広がりました。

 Twitpicは、本家Twitterによる救済が行われ、ドメインと画像データを保全するという結末を迎えました(参考記事)が、バックアップ容量無制限プランをわずか3週間後に終了すると告知したBitcasa(参考記事)のユーザーの多くは、データのダウンロードが間に合わないと嘆いています。

 実は、クラウドサービス選定のポイントで最も重要なのは、「そのサービスが便利かどうか」ということよりも、「その企業がいつまでサービスを提供してくれるのか」なのかもしれません。

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