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» 2014年10月27日 07時00分 UPDATE

脳を強くする56の習慣:香りと記憶は、切っても切れない関係 (2/2)

[米山公啓,Business Media 誠]
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家に眠っているギターの出番です!

ks_guitar.jpg (写真と本文は関係ありません)

 若いときに多少、ギターなどをいじった経験のある団塊世代は多いでしょう。しかし、仕事が忙しくなって、趣味のギターをやめてしまった人もいるはずです。

 そのためか、リタイア後に「もう一度楽器をやってみたい」という人向けの音楽教室が増えているのも事実です。

 前回紹介したように、新しい環境に身を置くことが脳を鍛えるのであれば、楽器演奏を練習することも、脳にいいはずです。実際に、子どものときに楽器のレッスンを受け、10年以上楽器の演奏をしていた高齢者は、記憶力を含む認知力テストの成績が優れているという研究結果もあります。

 子どものころにピアノやバイオリンなどの楽器を習うのが、団塊世代以降、一般化してきたように思います。「練習が辛くて楽しくなかった」という人も少なくないでしょう。

 しかし、その辛さがいま役立つというわけです。中高年になって楽器演奏を再開すると、知力の低下を防ぐのです。

 米国のエモリー大学の神経学の助教のブレンダ・ハンナプラディ(Brenda Hanna-Pladdy)氏らの研究チームが、2012年、Frontiers in Human Neuroscience誌の電子版に発表した論文によれば、年齢と教育期間を一致させた「音楽家(子どものときに音楽を学習し、楽器の演奏をしていた期間が10年以上)」と「非音楽家」、59〜80歳の合計70人を神経心理学テストで評価し、一般的な生活活動に関して調査したところ、「音楽家」は「非音楽家」より、言語の作業記憶と即時想起(思い出すこと)、そして空間視覚判断、運動機敏性に優れていることが分かりました。

 中高年になっても音楽活動を続けることは、加齢の影響と教育不足さえ無効にして、思考力を強化してくれるのです。

 有名ミュージシャンでも高齢の人がいますが、まさに楽器が脳の衰えを抑え込んでいるのでしょう。楽器演奏という新しい体験が脳を活性化してくれるなら、いままでまったく楽器などいじったことがない人でも、中年から楽器に挑戦するのはいいことなのです。

 名演奏者になることはできなくても、人前で演奏を披露できれば、さらに意欲もアップしてきて、楽器演奏を習うことが楽しくなってくるはずです。

 また、仕事の気分転換にも、楽器演奏は一役買ってくれることでしょう。仕事で数字や言葉を使っていると、脳は疲労してきます。楽器演奏は仕事では使っていなかった右脳の機能にも影響を与えるので、楽器演奏によって左脳と右脳の切り替えができ、結果的に脳を休ませることにもつながるのです。

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