コラム
» 2014年10月24日 07時00分 UPDATE

蜂箱フェンスでゾウ被害を防ぐ――エコフェンスプロジェクトに学ぶビジネス

密漁により絶滅の危機にあるアフリカゾウ。生息地域では保護対策がとられる半面、共存する周辺住民にとってはやっかいな隣人でもあるようで……。

[波多野謙介,Business Media 誠]
誠ブログ

 アフリカゾウというのは、動物園などで間近で見ると「うおぉ」と差し迫る存在感がたまらない動物で私も大好きなのすが、一方でその生息地では、密漁により絶滅の危機にある動物でもあります。

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 ゾウの生息地域ではその保護のためにさまざまな対策が取られていますが、かたや共存する周辺住民にとってはゾウはなかなか厄介な隣人でもあるようです。現地住民が主食とするトウモロコシなどを、ゾウは好んで食べるらしいのです。

 私の母は趣味で畑を耕していますが、イノシシやサルが作物を荒らしただけでも大変なショックを受けているぐらいですから、その状況と比較してみても、あんな巨大な動物が家族や仲間を連れてトウモロコシ畑に入り好き放題に食べてしまうというのは、生活がかかっている地域の人たちにとっては、まさに絶望的な事態であると言えます。

 そこで考えられたのが、ミツバチを嫌うゾウの習性を利用して獣害を解決するというプロジェクトです(参照リンク:「ゾウと森とマサイを救うハチミツ」TEARS OF THE AFRICAN ELEPHANT)。

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 この方法はアフリカゾウの獣害を防ぐだけでなく、採取したハチミツで現地住民が収入を得るということを出発点としてビジネスモデルを構築し、永続的に収益の維持と拡張を可能とする仕組みになっています。まさに三方良しというか、「ビジネス」が関わる人全員を幸せにする理想的なモデルです。

 先日、ブログで書評を書いた、永井孝尚さんの著書『戦略は一杯のコーヒーから学べ!』にも“サステイナブルコーヒー”の事例がありましたが、関係者全員のインセンティブをいいバランスでコントロールする仕組みを作ることで、誰もしわ寄せを受けることなく、全体がプラスの方向に進むようなビジネスを考えていくことが、今後は重要になってくると思います。

 それにしても、元となったゾウの行動に関するL.King博士の研究と、そこに付随して得られるハチミツの収益をビジネスモデルの起点として活用することを思いついたプロジェクトメンバーたちの発想力は素晴らしいです。頭が下がる思いです。思いついたときはさぞ快感だったことでしょう。(コラボリズム 波多野謙介)

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※この記事は、誠ブログ蜂箱フェンスでゾウ被害を防ぎ、現金収入も確保する、エコフェンスプロジェクトに学ぶビジネスより転載、編集しています。

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