地方都市で新しい企業が生まれるにはどうしたら?――福岡市の試みサイボウズ 青野慶久氏×福岡市 合野弘一氏(2/6 ページ)

» 2014年10月15日 06時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

地方でエンジニアを見つけることが難しかった

サイボウズの青野慶久社長

合野: サイボウズが起業したのは、愛媛県の松山市。なぜ、松山市で起業しようと思われたのでしょうか?

青野: 立ち上げメンバーの中に松山出身の人間がいたこともあるのですが、最大の理由は家賃が安いから。私たちの仕事は、インターネットでソフトを売ることなので、場所はどこでもよかったんですよ。

合野: 東京に比べて地方の家賃は安いのですが、人材の問題がありますよね。地方には、いわゆる“スゴい人”が少ないので、なかなかそうした人たちの中でもまれることができない。「東京で刺激をもらわなくてはいけない」という理由で、上京する人も少なくないんですよ。

青野: そこだと思います。私たちも松山を出た理由は「人」。腕のいいエンジニアを見つけることが難しかったんですよね。次に、大阪に移ったのですが、そこでも腕のいいエンジニアを見つけることが難しかったので、いま東京に拠点を置いているんです。

合野: でも、海外は違いますよね。日本のように東京一極集中しているところは少ない。

青野: 少しずつですが、日本も変わってきているのではないでしょうか。プロ野球をみると、昔はパ・リーグの試合を見る人が少なかったですよね。でも、今は違う。日本ハムは北海道、楽天は仙台、ソフトバンクは福岡といった感じで、地方都市に根付いてきています。

合野: とはいえ、日本はまだまだ東京一極集中。例えば、米国では分散していますよね。

青野: 米国の地方都市は特徴があります。東部は金融やメディア、西部はIT、南部は宇宙産業、中西部は製造業といった感じで。特徴がそれぞれ違うので、その特徴に合った人材が集まっています。一方の日本は、なにもかもが東京ですよね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.