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» 2014年10月10日 08時00分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:北陸新幹線効果で企業移転が相次ぐ、その理由は? (1/4)

北陸新幹線の金沢延伸開業まであと半年。特急料金も発表され、石川県、富山県では観光誘致に勢いが付く。そして、企業も北陸に注目し始めている。北陸に進出する企業の動向をふかんすると、北陸新幹線の利便性だけではない理由があった。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

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1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


 2014年10月3日、JR東日本とJR西日本が「北陸新幹線」(2015年3月14日開業)の運賃と特急料金を発表した。東海道新幹線開業50周年の2日後というタイミングは、先駆者の功績に多少の気づかいがあったのだろうか。それはともかく、東京―富山間の普通車指定席は1万2730円、東京―金沢間は1万4120円。繁忙期は200円加算、閑散期は200円の減算となる。

photo JR西日本の北陸新幹線車両 W7系(出典:JR西日本Webサイト)
photo 北陸新幹線の主な区間の運賃(出典:JR東日本プレスリリース)

 この金額を読者諸兄はどのようにお感じだろう。

 私は「意外と安いな」と思った。おカネをかけて造った様子だけど、本当にその値段でよいのかと思う。まあ、そんなことを言いつつも、一般論と自分のサイフの話は別勘定で、実際には割引きっぷを駆使して乗りに行くけれども。JR東日本さん、北陸フリー乗車券はなくさないでね……。

 さて、安いと感じた理由は、従来の鉄道運賃と航空運賃の2つを比較したからだ。従来の鉄道運賃は、東京―富山間の普通車指定席が1万1910円、東京―金沢間は1万3050円となる。これは上越新幹線と在来線特急を越後湯沢駅乗り換えで乗り継いだ場合だ。北陸新幹線だと、東京―富山間は820円のアップ、東京―金沢間は1070円のアップ。この差で所要時間が1時間以上も短縮され、煩わしい乗り換えも不要となる。

 現在のルートには上越新幹線長岡駅乗り換えルートもある。ちょっと遠回りで、運賃は東京―富山間の普通車指定席が1万2880円、東京―金沢間は1万3860円。新幹線の開業で東京―金沢間の差額はもっと縮まって260円。東京―富山間は新幹線のほうが150円安くなる。

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