あきんどスシローの次の一手は? 新業態「ツマミグイ」をオープン出店攻勢(1/2 ページ)

» 2014年10月09日 18時13分 公開
[ふじいりょう,Business Media 誠]
事業戦略について語る、あきんどスシローの豊崎賢一社長

 回転すしチェーン「スシロー」を展開しているあきんどスシローは10月9日、事業戦略を発表した。空白地を中心に40店舗の出店を予定しているほか、新業態となるカジュアルすしダイニング「ツマミグイ」を2015年1月中旬に東京中目黒にオープンさせ、都内進出の足がかりを模索する。

 回転すし市場は4000億円を超える規模になっているが、2014年4月に導入された消費増税などの影響を受け、成長のスピードが鈍化している。あきんどスシローの豊崎賢一社長は「さらなる成長の余地はある。今期はチャレンジ」していくことを強調。2012〜13年にかけては20店舗の出店にとどまっていたが、人材育成などの社内環境が整い、今後は北海道のほか、山口、新潟、沖縄といった空白エリアにも進出するという。

新業態「ツマミグイ」のコンセプト

 新業態「ツマミグイ」のコンセプトは、すしとビュッフェを組み合わせたもの。回転レーンを置かず、客が自由に取る形式を採用する。提供するすしは一貫100円から350円と幅をもたせ、トロの上にウニをのせるといったカスタマイズも可能。また、これまでのスシローにはなかったワイン、日本酒、焼酎などアルコール類を3つの価格帯で用意し、客単価は昼間1000〜1500円、夜3500円前後を想定しているという。

 店舗の広さは35坪程度と比較的小型で、空間設計は2007年に『Newsweek』誌の「世界が注目する日本の中小企業100」に選ばれたデザイン会社「nendo」が手がける。

 「郊外は出店の余地があと数年で限られてくる」(豊崎社長)という同社にとって、都市部への進出が企業成長する上で欠かせない。とはいえ、地価が高く、坪数の確保が難しい都市部では、一皿100円で統一している「スシロー」では出店が厳しい。そこで新業態「ツマミグイ」の企画が持ち上がったという。「おすしは大人の男性のものというイメージだが、女性が1人でも入れるようなお店にしたい。気楽にちょっとつまむ感覚ですしを食べてほしい」(豊崎社長)とこれまで比較的なじみの薄かった若い女性客への訴求を図っていく。

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