なぜ「Windows 10」なのか Microsoftが“先出し公開”した理由Windows 10の法人戦略とその背景(2/4 ページ)

» 2014年10月08日 08時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),Business Media 誠]

次期バージョン「Windows 10」で一部公開された機能とは

 Windows 10は、2015年後半のリリースが予告されている。今回はWindows 8系の「スタート画面」や「Windowsストアアプリ」を軸にしたUIから、Windows 7以前のユーザー(多くの企業PCユーザー)には馴染みのある「デスクトップUI」と「スタートメニュー」を中心とする操作体系の画面が公開された。以下が、Microsoftが「Technical Preview」の名称で公開したWindows 10のデスクトップUI画面だ。

photo Windows 10のデスクトップUI画面
photo デスクトップUIの小ウインドウでWindowsストアアプリを表示できるようになる

 Windows 8で消えた「スタートメニュー」。その動作と機能はWindows 7以前のスタイルより大きく変更されたことから、従来からのユーザーより「使いにくい」と評価された。その後、8.1で「スタートボタン」こそデスクトップUI画面に復活したが、7までのいわゆる「スタートメニュー」とは異なる機能だった。

 Windows 10では、スタートメニューも復活する。その一方で、Windows 8/8.1で導入された「一定時間ごとに最新情報に変化する“ライブタイル”が並ぶスタート画面」や「呼ばれるタッチ中心の操作体系を持った“Windowsストアアプリ”」といった要素も、Windows 10でのデスクトップUI画面に吸収する仕組みとなる。例えば、スタートメニューとして開く部分にライブタイルが表示され、自由に位置やサイズを変更できるほか、これまで全画面で(個別の画面で)実行されていたWindowsストアUIアプリは「ウィンドウの1つ」としてデスクトップUI上で扱えるようになる。

 また、Windows 10には、タッチ操作のタブレット、キーボード(デスクトップUI)操作のノートPC、どちらの機能も兼ねる2in1タブレット(マイクロソフト製タブレット「Surface」シリーズなど)のようなデバイスに向け、キーボードの脱着に応じて「タッチUI」と「デスクトップUI」をシームレスに切り替えられるようにする「Continuum(コンティニューム)」という新たな機能も備わるようだ。

 もちろん、これがWindows 10のすべてではない。今回の発表は、Windows 10の機能の一部が公開されたに過ぎない。ここは注意してほしい。

 うわさの範囲ではあるが、Windows 10は「モバイル向け」「デスクトップ中心の一般ユーザー向け」「エンタープライズ(企業)向け」など複数の種類の“バリエーション”が用意されるとみられる。今回公開されたWindows 10は、主に「エンタープライズ(企業)向け」のものである。「モバイル向け」のUI、ならびに「デスクトップUI中心の一般(個人)ユーザー向け」に関する新機能は明らかになっておらず、これらは来年2015年4月に開催が予告されている「BUILD」(マイクロソフトの開発者会議)のタイミングで順次公開されていくことになるだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.