配って、売れて、パクられて――ポッキー海外物語仕事をしたら“インドネシア”で売れた(5/7 ページ)

» 2014年10月08日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

スーパーでは類似品が並んでいる

中原: グローバル企業の商品は、単純な工程で作ることができるモノが多いんですよ。金型にチョコレートを流し込んで終わり――といった感じで。ウエハースが入っている商品の場合でも、金型にチョコレートを入れて、ウエハウスを入れて、またチョコレートを入れて、冷やして――といった感じて、ひと手間加わるくらい。

 一方のポッキーは、軸になる棒(プリッツ)を焼かなければいけません。そして、焼いた棒にチョコレートを付けて、冷やす。できあがったらそれを箱に詰めなければいけないのですが、ポッキーは折れやすいのでていねいに梱包しなければいけません。

土肥: 運んでいる間に折れてしまったら、商品になりませんからね。

中原: ひと手間、ふた手間かかってしまうので、ポッキーのような効率の悪い商品は、グローバル企業はなかなか真似ができないんですよ。ということで、ポッキーの類似品はなかなか出てこなかったのですが、インドネシアで売れ始めると、現地メーカーなどがよく似た商品を出してきたんですよ。

土肥: ちょっと待ってください。インドネシアで本格的な展開を始めたのは2012年ですよね。2年やそこらで、そんなことができるのでしょうか?

中原: 「ポッキーが売れるんだったらウチも……」という感じで、商品が開発されたのでしょう。現地のスーパーなどで、ポッキーとよく似た商品が並んでいます。味を比べるとクオリティの差を感じていただけると思うのですが、パッケージがよく似ているんですよ。なので、買い慣れていないお客さんからすればなかなか区別がつきにくい。

土肥: そこが狙いかも。

中原: そうなんですよ。インドネシアでポッキーの認知度はまだまだ高くありません。スーパーの棚でよく似た商品が並んでいたら、そちらの商品を購入されるかもしれない。

サンプリングを行う際、「ポッキーワゴン」が出動することも

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