配って、売れて、パクられて――ポッキー海外物語仕事をしたら“インドネシア”で売れた(4/7 ページ)

» 2014年10月08日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

中原: では、ちょっとだけ。現地のポッキーは、日本のモノとは違う油脂を使っているんです。そうすることで、融点が変わってくるんですよね。

 日本のポッキーは、口の中に入れるとすぐに溶けるので、チョコレートの香りをすぐに感じることができます。一方、インドネシアのポッキーはすぐに溶けないので、チョコレートの香りがすぐに広がりません。その代わり、後味が残るんですよね。

土肥: 昔から海外でやってきているので、そうした工夫ができるのでしょうね。

中原: だと思います。

土肥: 海外展開を始められて40年以上が経っているのですが、いろいろな苦労があったと思います。一番苦労されたことはなんでしょうか?

中原: やはり競合との勝負ですね。日本では日本での勝負があるのですが、世界に出ると日本のメーカーだけでなく、グローバル企業の商品がたくさんあります。M&M'S、スニッカーズ、キットカットなど。また、現地メーカーの商品もたくさんあります。

 そうした環境の中で、ポッキーの認知度を上げなければいけません。先ほど申し上げたようにサンプリングなどをして認知度を上げていって、ようやく売り上げが伸びていくわけですが、そうするとよく似た商品が出てくるわけですよ。パッケージを見ると「なんやこれは!?」と言いたくなるようなモノが。

土肥: 要するに、パクられたわけですね。

中原: はい。ただ、グローバル企業は真似しないんですよね。というのも、彼らは生産効率を重視するので……ポッキーのような生産効率が悪い商品は興味がないようで。

土肥: どういうことでしょうか?

現地のスーパーには、ポッキーの類似品が並んでいる

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