「仕事がイマイチ」「人物がイマイチ」企業はどちらの首を切る?サカタカツミの新しい会社のオキテ(2/3 ページ)

» 2014年09月29日 09時40分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

 「例えば、そもそも学ぶことを放棄している人がいます。教えられるのが嫌だ、自分は自分のやり方でやりたい、という人もそうでしょう。成長意欲という大げさな言葉ではなく、新しいことを学ぶことを拒否するタイプです。若手と呼ばれる層にも一定の数存在しますが、中高年にも多く見られます」

 こういうタイプは現状維持ができれば良く、それ以上の上積みは難しい。結果として、成長し続ける組織にとってはお荷物な存在以外の何物でもない、ということになってしまうのです。こういう人たちに対し、意識を変化させることで成長意欲を促進し、戦力として強化する、という方法を多くの企業はとってきたのですが、冒頭にも書いた通り、最近は様変わりしつつあります。「効率を考えると、そこに投資するのは無駄かもしれない」、企業はそう考えているのです。

他人と仲良くできない人は「その組織では」成長しない

 もう一つ、仕事ができないよりも厄介な人に貼られているレッテルで一般的なのは「組織になじまない」というものでした。これを読んでいる中間管理職の皆さんからは「そんなの、当然じゃないか」という声が聞こえてきそうです。実際、このあたりのサーベイを慎重に実施してみると、いくつかの企業で「周囲から浮いている人はパフォーマンスを出せない」という結果になるのです。

 ただし、誤解しないでほしいのは「その組織において」というただし書きが付く、ということです。その組織にはまったく順応しておらず、浮きまくっている存在であっても、別のコミュニティーでは極めて高い能力を発揮し、それこそ「凄い存在である」と認められている人は、世間にはゴロゴロいますから。しかし「組織で働く」、もしくは「組織に貢献する」という観点から見ると、個人の能力が抜きんでていることよりも、周囲との順応性の高さのほうが、結果として組織には貢献するということになるのです。(「それはマネジメント能力の問題なのでは?」という議論もあるのですが、それはまた別の機会に論じたいと思います)

 組織で働くということを理解しないまま、組織で働いている状態だと、結果として組織では機能しない。多くの人事担当者は、そろってこんな風に言います。

 「1年くらいは様子を見ます。けれども、変わりたくない人は、1年経っても変わらない。変わりたくない人が、それこそ常人では考えられない仕事ができるなら、その人に合わせて組織を変えてしまいます。しかし、そういうスーパースターは、めったにいないのです」

常人では考えられないくらい仕事ができ、「ありのまま」で組織に溶け込まずに許されるスーパーマンはそうそういない(画像はイメージです)

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