「対応プラットフォームが(まだ意外と)限られている」ということに加えて、iBeaconを使ってもらう壁はまだある。1つ目は前回も説明した「ユーザーにアプリをインストールさせる(させなければならない)」こと。まずは該当アプリをインストールしないと、そもそもiBeaconと連動したサービスは利用できない。
利用者のスマホにアプリをインストールしてもらうには、まずは利用者にそれを知ってもらう認知活動が必要だ。自社のWebサイトでアプリの存在をアピールする、アプリストアへ誘導を厚くするバナーなどを設置する、CMを打つ、Webサイトだけでなく実店舗でもアプリの告知を行い、アプリをダウンロードするためのリンクを記した「QRコード」や「NFCタグ」を設置するなどにてインストールを促しつつ、当然だが「入れて、使うと得られるメリット」や「アプリを使い続けてもらう(消させない)工夫」もきちんと用意する必要がある。
なお、iOSの最新バージョンであるiOS 8では「iBeacon信号をデバイスがキャッチしたら、該当アプリのダウンロードを促す仕組み」が新たに導入された。「その場所に、あるiBeaconサービスがあり、それに対応した該当アプリもあることをロック画面で“知らせてくれる”」という機能である。サービス提供社にとって困難だった、はじめの一歩を容易にしてくれるであろうこの機能によって、iBeacon機能を使うサービスがこれからどう広がるか、大いに期待したい。
2つ目は「端末のBluetooth機能がオフでは機能しない」こと。Bluetoothは、ヘッドセットやワイヤレス音楽再生、データ通信などでも使われるが、それを使わない人は「機能をオフ」にしているかもしれない。こちらはバッテリー動作時間を延ばすためのテクニックの1つとしてもよく紹介されているので、なおさらだ。iBeaconは、Bluetooth機能がオフだとまったく使えない。利用者には、最低限をこれを有効にしてもらわなければならない。
もっともiOSに限ると、OSのアップデートがかかるたびに「Bluetooth設定が有効化される」ようだ。このため、利用者が意識して機能をオフにしない限りは絶望的でないが、もちろん前述のアプリを認知してもらう活動と合わせ、アプリの中でも「Bluetooth機能を有効にしてね」と説明する必要はある。
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