なぜ海外でウケたのか? ユニ・チャームの紙オムツとコミーの業務用ミラー世界で売れてる、日本発のヒット商品(6/7 ページ)

» 2014年09月25日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

永井: 乗客は降りるときに、忘れ物をしたくないですよね。そのときに、このFFミラーが役立つんですよ。客室乗務員は乗客を降ろしたあとに、忘れ物がないかどうかチェックしなければいけません。手荷物入れは高いところにあるので、台などにのぼって確認しなければいけない。でもそれでは時間がかかってしまいますよね。そこでFFミラーを装着すればすぐにチェックできるので、時間が大幅に短縮できます。

 そして航空会社にとっても、忘れ物の確認時間が短縮できればメリットが大きい。特に格安航空会社(LCC)が増えていることからも分かるように、最近の航空機は1日に何回も飛びます。発着時間を短縮できれば、1日に飛ばせる便数も増やせます。また普通の鏡は1枚800グラムくらいあるのに対し、FFミラーは30グラム。乗客数百人分のミラーで乗客1〜2名分軽くできるので、席数も増やすことができます。そうすれば、航空会社の売り上げがアップしますよね。

 航空機製造メーカーは、乗客、客室乗務員、航空会社の要望を満たしたうえで、割れない、燃えない、傷つかない、さらに薄いミラーを必要としています。

土肥: ではフレームワークの4つめ、お客さんがコミーを選ぶために、何をしたのでしょうか?

永井: 従来の自社ミラーは重かったので、特殊プラスチックを使って軽量化を図り、また耐火性もアップさせました。さらに、航空機メーカーが購入するためには各国における航空局の各種承認取得が必須なので、これを取得しました。結果、エアバスA380やボーイング787などで標準装備され、ミラーの出荷累計は20万枚を超えました。

土肥: うーん、でもモヤモヤしますね。コミーは技術力があったから、ここまでシェアを高めることができたのではないでしょうか。

エアバスA380やボーイング787などで標準装備されているFFミラー(出典:コミー)

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