元アナウンサーが考える、“ショーパン番組移籍騒動”の裏側元局アナの「特ダネ?」(1/2 ページ)

» 2014年09月19日 12時00分 公開
[ 山森貴司,Business Media 誠]
誠ブログ

 “ショーパン”のニックネームで親しまれている、フジテレビの生野陽子アナウンサーが、現在出演している「めざましテレビ」から、夕方の「スーパーニュース」に移籍することが話題となっている。大衆紙に掲載された記事には、アナウンス室が“カトパン”こと加藤綾子アナと生野アナ派で真っ二つ、とか、カトパンがショーパンを“追放”――なんてことも書かれているが、本当にそんなことがあったのだろうか?

 地方局ではあるが元アナウンサー出身として、これはありえないと考えている。今回は、アナウンサーの立場からこの移籍の裏側を紐解いていこう。

photo ショーパン番組移籍の真相は?(出典:フジテレビ)

「ショーパンVS.カトパン」が原因ではない

 私がいた群馬テレビは、視聴率をそれほど気にしない局だった(もちろん大事ではあるが)。

 というのも、ライバルはすべて日本テレビやフジテレビといったキー局で、アリがゾウと対決するようなものだったからだ。しかし、フジテレビは昨今、視聴率低下が大きな問題となっており「振り向けばテレビ東京」などとも言われている。スポンサーの獲得には当然のことながら、視聴率が大きなファクターとなる。テレビ局が“視聴率至上主義”と批判を浴びるゆえんだ。

 フジテレビがそのような状況に苦しむ中で、何があったのか。大衆紙ではもっぱら、加藤アナと生野アナの不仲を原因とする記事が出ているが、私の経験で言えば、2人の間にライバル心はあるだろうが、そんなことを気にする余裕はないと思われる。お互い、自分自身のことで精いっぱいだろう。

 画面に出ているだけがアナウンサーの仕事ではない。日ごろからさまざまな情報収集をしておかなければ、人々に情報を伝えるアナウンサーとして、ディレクターやプロデューサーから「あいつは使えない」という烙印をすぐに押されてしまう。

 アナウンサーはしょせん、人を使う側でなく、使って“いただく”側なのだ。社内タレントとも言ってもいい。私がいた群馬テレビでも、女子アナはツートップ状態だったが、お互いにとても忙しく、いがみ合っている暇などなかった。とにかく、放送局は忙しいのだ。

 では、番組移籍の理由は何なのか。私は2つの原因があったと考えている。

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