土肥: 結婚式に比べて、お葬式の変化ってあまりないのですが、最近何か新しいことを取り入れたりしていますか?
冨安: オリジナルの会葬礼状が増えてきていますね。多くの礼状には「謹啓 亡父 ○○儀 葬儀の際はご多忙中のところをわざわざご会葬賜り ご丁重なご厚志を賜りまして 厚くお礼申しあげます」などと書かれていますが、ドイさんはきちんと読まれたことありますか?
土肥: 正直に言うと、ないですね(ごめんなさい)。
冨安: ほとんどの人が読んでいないと思うんですよ。葬儀場の場所と葬儀の時間を確認して、捨ててしまう。なぜ、読まないのか。それは、ありきたりな文面だから。でも、そこに潜在的なニーズがあるのではないかと。そこで、故人または遺族のメッセージを文面にしました。「故人はこういう人で……。私たちをこのように育ててくれた」といった内容に。
土肥: それはいいですね。故人のことを少しでも知ることができて。
冨安: 商売の根幹は、「常識のことをやっていてはダメだ」と思っているんです。非常識なところに潜在的なニーズを引き出す要素があるのではないでしょうか。社員たちにも「『こんなことをやってはいけない』と思ったことをどんどん提案してくれ」と言っているんです。
礼状のケースでいえば、サービス業を超えたおもてなしの世界。サービス業だけでやっているうちは、これからの時代勝ち残っていくのは難しい。損得抜きにして、遺族のためにつくす。遺族のことを考えて、徹底的に接客する。ここういうスタンスを取り入れられるかが、これからの葬儀業界においての差別化になるのではないでしょうか。
土肥: なるほど。次に、葬儀会社で働くのはどんな人が向いているのか、教えていただけますか。
(つづく)
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