クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。
直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」や「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
先日、あるコラムについて編集長の吉岡綾乃さんがツイートしていたのが、とても興味深かったのです。
当のコラムもとても面白いのですが、それ以上に、綾乃さんの「ここまで気を遣ってまで部下と飲みに行かなきゃいけないものなのだろうか……。部下も偉そうだなあ」というつぶやきに、思わず笑ってしまいました。
最近、確かに部下は偉くなってしまっている。というよりは、上司が部下に配慮しなければならないシーンが増えているかも、とも思ったり。ある意味、「上司受難の時代」と言えそうです。
だとしたら、上司はどう振る舞えば良いのか。気にしなければいいとか、毅然とした態度を取るべきとか、そういう建前ではなく「仕事はほどほどなあなたが、上司になったときに、部下にできること」について、今日は具体的なお話を少しだけ。
仕事について悩んでいるという若手から相談を受けた場合、そのほとんどが口にするセリフに「上司が尊敬できない」があります。仕事ができない、人間的に問題がある、発言と行動が一致していない、など、理由は様々ですが、尊敬できないことそのものに悩んでいるという人は少なくない。
「尊敬に値しない人が上司になっている、という状態がストレスです。そもそも、なぜこの人が私の評価をしたり、管理をしたりするのだろうかと。それを考えだすと、仕事そのものの悩みよりも、もっと深い迷路のようなところに入り込んでしまいます」
ある若手はそうボヤきながら、尊敬できない上司など存在してはならないとキッパリ言いました。極論だなぁと思いつつ、「だったら、どんな上司なら尊敬できるの?」と私が質問すると、例えば……と実名をスラスラと挙げだします。それらの多くは、世間一般の有名人ではないけれども、その業界では有名だ、と言われている人ばかり。
実はこれ、そこそこにしか仕事ができない上司にとって受難の時代を作り出している原因の一つです。かつて上司といえば、自分の直属の上司や同期の上司くらいしか視野に入りませんでした。隣の芝生は青いといいますが、そもそも、隣の芝生すら目に入らなかったわけです。
今はどうでしょう。素晴らしいと称される上司は、情報発信も上手。その素敵な仕事ぶりが、メディアを通してドンドン流れてきます。多くの人にソーシャルネットワークなどでシェアされるような仕事ぶりをしている、よその会社の人間と比較されても困る、と多くの人が思うでしょうが、今やそんなことを言っていられる時代ではないのです。
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