連載
» 2014年09月16日 08時15分 UPDATE

窪田順生の時事日想:それでも私たちは『朝日新聞』を許さなくてはいけない (3/3)

[窪田順生,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

『朝日新聞』を許さなければいけない

 こんな反日新聞は潰してしまえ。中立な報道ができないなら解体すべきだ――。気持ちは分かる。しかし、それでも政府の介入を許したり、暴力による弾圧をしたりしてしまったらそれこそ『朝日新聞』の思うツボである。

 先の「天声人語」にはこんな一文もある。

 渡辺は古代ローマ社会でのキリスト教弾圧を念頭に考えた。すなわち自分とは異なる思想を抹殺しようとすると、かえってその思想を生かすことになる。なぜならそれは、相手に「殉教者」の立場という、抵抗するための強力な武器を与える結果になるからだ、と

  これはまさしく今の『朝日』の姿と丸かぶりではないか。彼らの多くは、「慰安婦狩り」をしたという吉田清治の証言が虚偽だと認めただけで、「従軍慰安婦キャンペーン」は間違っていなかったと今も信じて疑わない(関連記事)

 こうなるともはやジャーナリズムではなく「信仰」である。

 今、彼らは自分たちの「信仰」を守ろうと必死になっている。「信仰」に批判や反発はつきものなのだ。世界中の宗教紛争を見るといい。「イスラム国」然りだが、弾圧をされることでさらに信仰が深まり、危険さが増している。

 つまり、もし仮にアンチの人々が望むように『朝日新聞』が地上から消え去っても、「殉教者」たちに手によってより過激な第二、第三の『朝日』が生まれるだけというわけだ。だから、怒りにまかせて過激な行動にでてはいけない。腹わたが煮えくり返っている方もいるかもしれないが、それでも我々は『朝日新聞』を許さなければいけない。

 異なる思想を暴力で排除するということは、韓国と同じレベルに落ちてしまうということなのだから。

前のページへ 1|2|3       

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -