今後の活用領域として、中川氏は「ICTの活用として注目を集めているIoTやM2Mなどの“社会的な情報通信インフラの一役”を担っていけるようにしたい」と力を込めた。
ちなみに、IoTとは「モノのインターネット(Internet of Things)」と言われる昨今、ビジネスパーソンが理解しておきたいITキーワードだ。PCやスマートフォンなどの既存のICT機器だけでなく、世の中に存在するさまざまな機器に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり、相互に通信することで、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行えるようにする概念のことを示す。M2Mは、Machine-to-Machineの略。インターネットや無線LANなどのネットワーク上にある機器“同士”が自動的に通信し、データのやりとりや連動を行うことである。
NerveNetの新たな活用法のカギを握るのは、メッシュ型地域ネットワークとして完結した形で利用できるという特徴を生かしたアプリケーションが出てくるかどうかだ。その候補として先にオープンデータやビッグデータの活用が挙がっているとしたが、それを実現するのがまさしくIoTやM2Mの仕組みである。
IoTやM2Mは、巨大なクラウドサービスと組み合わせてこそ──というのが現時点のセオリーかもしれない。ただ、メッシュ型地域ネットワークとの組み合わせによっても、全く新たな発想のサービスが生まれてくるはずだ。
NerveNetのNerveは、「神経」を意味する。神経は脳と密接に情報のやりとりを行う一方、自律して働くこともある。NerveNetの名称にはそうした想いが込められている。しかも日本発の技術である。災害対策から生まれたこの技術がどうに進化していくか、どう生かすべきか、今後大いに注目しておくべきITキーワードである。
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