いつまでも過去の栄光にすがってしまう「新・大企業病」って?サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(2/3 ページ)

» 2014年09月08日 08時45分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

新しい大企業病に、あなたはかかっていませんか?

 ある企業の教育担当者がこんな話をしてくれました。その企業のある管理職は、大手企業から転職してきた人。転職からかなりの時間が経過しているのに、いまだに自分が過去に在籍していた大手企業の「フツー」を振りかざし、部下を叱責するのだとか。十分に整備された環境、万全の育成システムが備わり、選び抜かれた人材が山のようにいる――そんな中での話を引き合いに出して「フツーは……」「常識的には……」とぼやくのだそうです。

 「企業の規模や仕事のスタイル、今抱えている人材の質や教育の仕組みなどを考慮して、そのレベルにあわせたマネジメントをするのが、上司の本来の役割なはずです。しかし、その上司はまったく実情に合わせることなく、自分の常識の尺度をそのまま持ち込んで、『周囲に常識がない、フツーではあり得ない』と、グチグチと言ってしまうのです」

 もちろん、成長途中の未整備の企業が、大手企業のシステムを知り尽くしている人材から得るものは、とても大きいでしょう。それを意図して採用しているケースも少なくありません。しかし、現状を考慮することなく、ネガティブな反応ばかりして、周囲のヤル気を削ぐのは、それこそ常識的に考えて、やるべきではないでしょう。

 「結局、いつまでたっても弊社の人間になることはない。心はずっと大企業にいたままなのです。自分のフツーはそこにあって、新しいフツーを作り出すことはしない。新しいカタチの大企業病といってもいいかもしれません」

 別の企業において中途採用で幹部候補を大量採用している人事担当者は、こんな話を耳打ちしてくれました。先週のコラムにも書きましたが、これを読んでいる中間管理職の皆さんも、いつ、今の環境を離れざるを得なくなるか分かりません。その時新しい環境で求められるのは、今までの「常識」や「フツー」を振りかざすのではなく、あなたの持つノウハウを未整備な場所に上手に移植することなのです。

転職したのに、いつまでも前の会社の「常識」や「普通」を押しつけていませんか(写真はイメージです)

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