高木: 和食と言えるのかどうか怪しいモノが世界中にあふれているんですよ。香川県がうどんを産業化できなかったように、日本が和食を産業化できないかもしれません。同じようなことが起きないために、何らかの戦略を練る必要があると思っています。現地で経営することが難しかったら、ライセンス料をもらうことはどうでしょう。例えば、熊本県にある味千ラーメンは、中国で500店舗ほど展開していますが、現地の経営は地元の人に任せて、会社はライセンス料をもらっているんですよね。
このほかにも、食材を供給するという方法もあります。「和牛」といえば、日本で生まれ育った牛を想像しますよね。でも、世界では「オーストラリア産」と認識している人が多いんですよ。それはさすがにマズいだろうということで、日本で「和牛協会」をつくって、日本産和牛を世界で売ろうという動きが出てきました。
このようにできることから始めていかないと、どこかの国のどこかの企業が「和食」をうまく使って、産業化するかもしれません。
土肥: “第二の香川県”をつくらないようにしなければいけませんね。
高木: そのためには、業界が率先して、和食のビジネスモデルをつくっていく必要があると思いますね。また、国にも支援してもらいたい。
土肥: なるほど。日本人が食べたことがない和食を外国人が食べて、「さすが和食! 世界遺産に登録されただけのことはあるねえ」と言われるのは嫌ですよね。本日はありがとうございました。
(終わり)
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