次のブームは? “変わりうどん”が流行る日仕事をしたら“うどん”のことが見えてきた(後編)(3/5 ページ)

» 2014年09月03日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

うどんチェーン店の未来

土肥: ここでラーメンからうどんの話を中心に聞かせてください。うどん業界って、今後どのようになると思われますか?

高木: 大手チェーン店の最大の功績は「讃岐うどんを広めてくれたこと」だと思っています。丸亀製麺やはなまるが先頭を切って、讃岐うどん市場を開拓してくれたことで、本格的なうどん店を増やせる土壌ができたのではないでしょうか。

土肥: それはどういう意味ですか?

高木: 例えば、関東の場合、チェーン店ができるまで、多くの人はうどんを食べる習慣がありませんでした。でも、会社や家の近くにチェーン店ができたことで、讃岐うどんを食べるきっかけができました。そして、実際に食べてみて「あ、おいしんだ」と気づかれたのではないでしょうか。

 そうした層を対象に、今後はこれまでにないうどんを提供すると、ヒットするかもしれません。競合のない市場に出ていくのは簡単と思われるかもしれませんが、実は自ら市場を開拓しなければいけないのでリスクが高い。先ほどもご説明したとおり、ラーメンと違ってうどんには種類が多くありません。なぜラーメンにバリエーションがあるかというと、既成概念がなかったからだと思うんですよ。

土肥: 既成概念?

高木: ラーメンが日本にやってきたのは、明治時代になってから。当時の日本人にはあまり馴染みのない中華料理をベースにラーメンが生まれたので、既成概念がないんですよね。

土肥: 「ラーメンはこうでなければいけない」という考えのことですか?

高木: はい。ラーメンが生まれてから、その後各地でさまざまな種類のラーメンが誕生しました。出張に行ったときに、ご当地ラーメンを食べることを楽しみにしているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。しかし、うどんにはバリエーションが乏しいので、出張先や旅先で「ご当地うどんを食べよう」という人は少ないですよね。でも、うどんチェーン店がうどんの味を広めてくれたおかげで、今後はさまざまな味が増えてくるかもしれません。

土肥: うーん……でも、とはいえ、うどんですからねえ(既成概念の塊)。

新しいうどんの味が誕生するかもしれない

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