落雷で停電。多数のIT・オフィス電化機器が稼働するオフィスで、この影響は大きなリスクや被害を生みかねない。落雷でなくとも、台風、そして近年はゲリラ豪雨に代表される不安定で激しい気象現象などによっても停電する機会が増えている。
コンピュータ用途から、データセンターや建物・工場全体の設備の範囲まで、意図しない停電のリスクを回避する装置として「UPS(無停電電源装置)」がある。最近は1k〜10kVAクラスのオフィス/産業機器向け小規模UPSの需要が増加傾向にあるという。
矢野経済研究所は8月20日、2014年国内UPS市場の調査結果を発表。2013年度の市場は消費税増税に由来する法人の駆け込み需要で拡大したが、2014年度はその反動でマイナス成長に転じると予測した。
2013年度の出荷金額は660億4500万円で前年度比1.9%増。Windows XPのサポート終了や消費税増税前の駆け込み需要で拡大した。一方、その購買特需の反動で2014年上期が伸び悩み、年間前年度対比でもマイナスが避けられない見込みとする。特に大容量(100kVA以上)なデータセンター向け製品の需要減が大きい。データセンターも小〜中容量の機器を分散配置する傾向へ流れ、製品単価が下落したことも全体の出荷金額に影響するとみられている。
一方で、PCサーバ用、産業機器向け組み込み用途を主とする1k〜10kVAクラスの小容量機器は、需要開拓が図られ、景気回復の後押しとともに2015年度以降も増加傾向にある。また、10k〜100kVAクラスの中規模機器も、これまで手薄だった分メーカーが注力する傾向が強まっている。
UPSの国内市場規模は、2019年まで数量ベースでほぼ横ばい、金額ベースでは微減すると予測。市場の成熟度がより高まる様相を呈し、今後、参入メーカー各社の競合が激しくなると予測される。
UPSメーカーおよびその販売企業などに、直接面談、電話、メールによるヒアリング、ならびに文献調査を併用して調査。調査期間は2014年5月〜7月。本資料「UPS市場の現状と将来性 2014」(A4判126ページ)は15万円(税別)。
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