コラム
» 2014年08月12日 07時00分 UPDATE

マネーの達人:「保険の約款」を読んで、理解できますか? (1/2)

あなたは、現在加入している生命保険や損害保険の「ご契約のしおり・約款」を読んだことがありますか? 難しくて読んでいないという人もいるのではないでしょうか。保険商品の約款は商品そのもの。全ての内容が記載されていますから、この機会にぜひ読んでみましょう。

[伊藤克己,マネーの達人]
マネーの達人

 あなたは、現在加入している生命保険や損害保険の「ご契約のしおり・約款」を読んだことがありますか?

 私が外資系生保で直販営業をしていたとき、トレーナーから「顧客に渡す約款は1冊でいいから、通して読んでおくこと。薄いものでも構わないよ」と言われたことがあります。オフィスのマネージャーからも「質問する前に約款をまず読め。それで分からないとき初めて質問しろ」と言われました。なぜならば、保険商品の約款は、ある意味「商品そのもの」であり、そこに商品の全てが記載されているというのです。

約款を読まないのは、商品のマニュアルを読まないのと一緒

 しかし、私の経験上、保険の約款を実際に読んでいるお客さまに会ったことはほとんどありません。また、プロの保険募集人は読んでいるかというと、失礼ながら疑問に思うこともあります。

 例えば、家電商品や自動車を買ったときに付いてくるマニュアルをまったく読まないということはあまりないと思います。「目に見える商品」ですら多少は読むのに、「目に見えない商品」である保険の約款をまったく読まないというのはどうも違う気がします。

 保険とは契約です。他のビジネスシーンでは、いろいろな契約が交わされています。例えば、売買契約や賃貸借契約、雇用契約、代理店契約などなど。「目に見えない」点では保険とまったく同じですが、契約を交わす前、もしくは後に、契約書をまったく読まないということがあるでしょうか。

 保険の約款は、その保険の「契約条項」が全て記載されている一番重要な商品説明書なりマニュアルだと考えるべきです。

保険に関するクイズ あなたは正解できますか?

 それでは、いきなりですが問題です。次の4問にYESかNOで答えてください。

(1)日本で販売されているがん保険や医療保険の「がん診断給付金特約」における、がん診断確定は日本の医師または歯科医師の資格を持つ者によってなされる必要がある。

(2)がん診断給付金を複数回支払うがん保険や医療保険の「がん診断給付金特約」の保険金支払条件は、全社同一である。

(3)死亡保険は、死亡(死亡保険金)と高度障害(高度障害保険金)の保障がセットとなっており、1社も例外はない。

(4)三大疾病で入院した場合に限り、主契約の入院給付金日型や通算限度日数に制約されず、入院給付金を1回の入院や通算とも支払限度日数無制限で受け取れる医療保険で、「三大疾病」の定義は全社同一で、それは「がん、脳血管疾患、心疾患」である。

 どうですか? 分かりますか?

 実は、答えは全て“NO”です。

 (1)は、日本の医師資格を持たなくとも、医師の資格を持つ者ならOKな保険会社も数社あります。将来的に海外長期駐在の可能性がある人や移住を考えている人は、こちらのほうがいいかもしれませんが、その数社以外は全て、設問のとおり日本の医師の資格がある人にがん診断をしてもらうことが要件となっています。このことはカタログで説明している会社はあまりなく、約款で規定しているところがほとんどです。

 ちなみに、海外で、がんで入院して手術した場合、日本に戻ってから「がん診断給付金」請求をしても、日本の国内医師規定をクリアできずに支払われない可能性もありえます。なぜなら、がん診断は手術で切除したがん細胞を病理検査して、がんの種類や進行度などを診断しているからです。それを「日本の医師資格がある人が診断しないといけない」と約款に定められている保険会社が大半です。

 海外の病院でがんを切除すると、帰国後、国内の医師にがん診断ができるかどうかは、現実的に難しいと思います。なお、特定疾病保険でも、保険会社によっては日本の医師資格を持つ者による診断が必要になる商品もありますので要注意です。

 (2)は、保険各社、微妙に保険金の支払条件が異なります。特に注意したいのは、2度目以降の診断給付金です。条件によっては、ある会社では支払れるが、別の会社では支払われないというケースがあります。

 生保レディなど、保険会社一社専属の募集人ならいいのですが、乗合代理店で複数社扱っている保険募集人は今後、質の高い比較推奨販売(※)が法律上要求されます。この微妙な支払い条件の違いをきちんと理解して、お客さまに説明しないといけないでしょう。


 (3)は、すべての死亡保険種類で高度障害保障が数年前に完全になくなった会社が1社あります。この会社は業界最大手の保険会社ですが、このことはニュースにすらなりませんでした。また、別の会社ですが、終身死亡保障付医療保険で高度障害保障がない商品があります。カタログを見てもしっかりと注記されてないようなので、やはりこれも約款で確認しないといけない内容となります。なお、上記はあくまで例外です。それ以外のどこの保険会社でも、終身、定期問わず、全ての死亡保険で、高度障害保障は普通死亡保障と主契約上セットになっています。  

 (4)は、三大疾病の定義が各社で異なります。三大疾病の範囲については、約款別表に対象となる病気が載っていますので確認しておきましょう(ICD-10準拠)。

 ちなみに、上記は全て約款本体で確認できる内容ですので、自分でも調べてみることをおすすめします。

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