政府は「女性の社会進出」について、“2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度にすること”を目指している。先日、子育てを理由に退職した女性を対象に、職業訓練の拡充などを盛り込んだ支援策を2014年中に取りまとめるという方針を発表したばかりだ。
デルは“女性の管理職を何%にする”といった目標は立てていない。そういう点では、女性は優遇も冷遇もされず、平等に扱われているというのが部長職8年目の小野氏の見方だ。彼女自身は部下を持つ上司として、男女間で仕事に対する考え方や質の違いを感じたことはあるのだろうか?
「考え方の違いはなくはないですね。例えば男性は若いうちから長く勤めようと思っていますが、女性の意識はやや低いかもしれない。だからといって、採用時にキャリア意識が高い女性を優先して採用しているわけではありません。キャリアアップのための転職、勉強のための退職はあっても、家庭に入るために辞めるというケースはほぼないことを考えると、デルで働くうちに、“働き続けるのは当たり前”という考え方になるのでしょう」(小野氏)。
働き方を考えるきっかけを作っているのが「Women in Search of Excellence(WISE)」という社内の女性向けグループだ。これは有能な女性の起用や、女性社員のモチベーション喚起、専門知識の活用などを目的に本社のDellが開始したプログラムで、日本でも2011年からスタートした。
グループの制度自体は本社のものを導入しているが、その中身は日本の市場や文化に合わせたオリジナルだ。「デルの中で女性が継続して働けるようにすることが(日本版WISEの)大きなテーマ」と小野氏は語る。ディレクターやシニアマネージャー職の女性たちが、後輩のために自主的な勉強会を開くのが基本的な活動内容だ。
例えば、2013年は女性と男性の言動の違いにフォーカスしたトレーニングを開いた。「女性はどうしても一歩引いてしまう傾向があるが、堂々と話すための姿勢、身振りや手振り、言葉遣いなど、自分たちの経験を入れてを伝えました」(小野氏)。彼女らシニアレベルの女性社員が専門家のトレーニングを受け、それをカスタマイズして後輩の社員に伝えたという。
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