「イッパンジン」がドクターイエローの写真を撮る理由杉山淳一の時事日想(3/5 ページ)

» 2014年08月08日 08時00分 公開
[杉山淳一Business Media 誠]

あらゆる趣味は「狩猟」「採集」「栽培」に分類できる?

 私のような「乗り鉄」はどちらだろうと考えて、「採集」だと思った。モノを増やすわけでもなく、獲物があるわけでもない。しかし、乗車区間を記録し、地図上で乗った路線を塗りつぶすという行為が採集に通じる。「乗車経験のコレクション」である。

 鉄道趣味は「狩猟系」と「採集系」に分類できるはずだ。すべて挙げるとキリがないので、あとは読者諸兄に試していただきたい。

 「狩猟」「採集」の分類は、鉄道以外の趣味にも当てはまる。あなたが鉄道趣味ではないなら、自分の趣味を分類してみよう。多くは「採集」に、アクティブな趣味は「狩猟」に当てはまると思う。そして、鉄道趣味には当てはまりにくいけれど「栽培系」の趣味もある。ガーデニング、盆栽、ペット飼育などだ。これらも集め始めると「採集系」だし、どうしてもほしいモノがあるから取りに行こうと行動を起こせば「狩猟系」の要素になる。

 そういえば、鉄道趣味にも「栽培系」の要素はある。鉄道模型のうち、ジオラマや車両をコツコツと組み立てていくという行動は「栽培系」の要素だ。私が好きなゲーム『A列車で行こう』も、鉄道会社を大きくする、街作りをするという部分で「栽培系」である。箱庭ゲームは「盆栽系」ともいうし、バイクを磨き上げて眺める人も「盆栽」と呼ばれるようだ。マンボミュージシャンのパラダイス山元氏が、盆栽と鉄道模型を組み合わせた「マン盆栽」を発表して以来、いまや「マン盆栽」も趣味の一つとして認知されている。どちらも栽培系だから相性がいいわけだ。

 つまり、あらゆる趣味は大胆にも3分類できる。「狩猟」「採集」「栽培」だ。ここから私たちは「趣味」について、大きな役割を見いだせる。

 人間にとって「趣味」は「生きるための本能」であると。

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