次に挙げられていた典型的ケースは「自分は悪くないと言い張る」従業員でした。悪いことをしたのに、自分はやっていないという単純な、それこそ子供みたいな話ではありません。自分の正当性をもっと巧妙に主張するタイプを、組織としては問題視しているようです。
「例えば、改善を要求しても、論点をずらしてしまう。改善を求められている立場なのに、自分以外のことの改善を要求する。こういう人ほど、逆に当事者意識はたっぷりと持っていて、自分が組織を支えているという自負がある。だからこそ、自分が動きやすい組織を作ることが最善であり、自分が変わることを要求されても、それはできないと突っぱねるのです」
自分の正しさを主張するための時間を割くことにはまったく抵抗がありませんから、社内でのコミュニケーションの多くをそのための時間として浪費するのもこのタイプ。結果として生産性が著しく下がってしまって、組織としては必要のない、いや、むしろ居ると困る人になってしまう。本人にそれとなく伝えても、一向に改善される気配がない。
ある人事担当者は「自分のやり方で成功した、という年輩の従業員に多いタイプかも知れません。このやり方しかできない、自分にはこの方法しかないと、違うやり方や視点、発想を頑に拒否します。それでは困ると口を酸っぱくしていっても、曲げてくれません。組織としては扱いにくいこと、この上ないです」とハッキリ言います。
他にももっとたくさんの例が挙がっていたのですが、それはまた別の機会に取り上げることにしましょう。
“使えない従業員”のことを企業はどのように見ているのでしょうか?
ある企業の人事責任者は、指導や注意喚起など、本人にハッキリとした形で警告をするようにしているという前提で、「パフォーマンスが低い、改善してほしい、直す点はここですよ、と指摘したら、だいたい一定期間内に退職します。改善する努力をしないのです、この層にいる人たちは。なぜそんなことを言われるのか理解できない、もしくは、いままでの自分を否定する気なのか、という感じで、開き直ってしまう。組織としては、残念ですが、引き止める必要もないですし」と話していました。
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