なぜソウルに、スタバとダンキンドーナツが密集しているのか人に話したくなるコラム(3/3 ページ)

» 2014年07月18日 08時00分 公開
[藤井薫,Business Media 誠]
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韓国系コーヒーチェーンも負けてはいない

熾烈な“コーヒー戦争”は、今後どうなる?

 そんなこともあり、韓国ではスターバックスは高級ブランドのように扱われている。当然、出店場所を確保する際にも、ブランド力のあるスターバックスは有利になる。貸しビルのオーナーにとって、高級ブランドのスタバが出店すればイメージアップにつながるからだ。

 しかし、韓国系コーヒーチェーンも次の戦略を練っている。人気の韓国系コーヒーチェーンのAngel-In-Us(エンジェル・イン・アス)、Hollys Coffee(ホリスコーヒー)、Caffe Bene(カフェベネ)なども、負けじと海外への出店を加速させている。

 韓国最大のコーヒーチェーンであるCaffe Beneは、韓国大手芸能事務所が手がけているだけあって、かなりアグレッシブだ。2008年にデビューという後発ながら、韓国で945店舗を運営し、海外12カ国に展開するなど急成長している。2012年には米国に進出し、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど主要都市に、わずか2年で80店舗も出店している。スターバックスの競合として、2020年までに米国で600店舗に拡大することを目標としている。

 そして日本へも食指を伸ばしている。羽田空港に第1号店を2013年にオープンさせ、2014年6月には東京・赤坂にも2号店を開店したばかりだ。

 こうした熾烈なコーヒー戦国時代にあるからこそ、韓国のコーヒー産業がどんどんもまれて拡大し、文化として成長を見せているのかもしれない。そのコーヒー熱が冷める気配は、今のところない。

 コーヒーは、原油の次に多く取引される商品として、世界規模で800億ドル(約8兆円)にもなる巨大なマーケットだ。そして、次々と訪れるコーヒーブームにより、さらに拡大しつつある。コーヒー市場で存在感が薄くなっている日本も韓国には負けていられない。

 いま世界的に注目されているサードウェーブの波に乗れば、日本にもチャンスが訪れるかもしれない。

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