「コンビニバイト募集 初心者歓迎」この言葉の裏にある“怖い事実”ご一緒に“おでん”いかがですか(3/5 ページ)

» 2014年07月17日 08時00分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

 かつてのコンビニは、陳列販売だけをする物販業のレベルだったのに、今では完璧に近いマニュアルがあるので、初心者を雇ってもすぐに一人前レベルまで成長させることができる。それがどういう意味を指すのかというと、コンビニがここまで拡大した背景のひとつに、「アルバイトのマニュアルがあるから」と言っても過言ではないのだ。

 「またまた、大げさな」と思われる人もいるだろう。10〜20年前のコンビニを思い出していただきたい。かなり昔のことなので、思い出せないかもしれないが、店内にお客さんが入って来ても「いらっしゃいませ」すら、まともに言えないアルバイトが多かったのだ。

 今では考えらないことだが、基本的なあいさつを言えるようにしたのが、マニュアルであり、初心者たちなのだ。店内で、あいさつが聞かれないのは、そこで働くアルバイトがあいさつをしないから。オーナーが「お客さまが入店されたら、あいさつをしましょう」と言ったところで、なかなかうまくいかない。注意をすると、そのときは「いらっしゃいませ」と言ってくれるが、しばらくすると、また言わなくなる。そんなことの繰り返しだ。

 しかし、新人は違う。素直なので「あいさつはするものですよ」と、思い込ませることができる。コンビニでは定期的にアルバイトが入れ替わるし、初心者を多く採用することで、いつの間にかできなかったあいさつができるようになるのだ。初心者が入っては辞めて、入っては辞めて……何度も世代交代を繰り返してきたことで、今のようなきちんとした対応ができるようになった、とも言える。

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