池田: 具体的に、いつごろから「綾鷹まろやか仕立て」の開発を始めたんですか?
宗方: 開発という意味では常に行っているのですが、具体的に製品化に向けて動き始めたのは1年ほど前ですね。「綾鷹」は“旨みとほどよい渋味”のバランスにこだわった商品ですが、「綾鷹まろやか仕立て」は“甘みとすっきりした後味”を目指した製品です。特に味わいのバランスに苦労しました。
池田: CMで「綾鷹をまだ選んでいないあなたへ」とメッセージを出していることからも新しいユーザーを獲得したい、という狙いが見て取れます。すっきりした後味を目指した理由は何でしょう?
宗方: 「綾鷹」をはじめ、ペットボトルのお茶は35〜49歳の男性がコアユーザーとなっています。これくらいの年齢になると、味の嗜好が変化するとも言われています。「綾鷹まろやか仕立て」は、今まで「綾鷹」を飲んだことがないような、30代の方々に飲んでいただきたいと思っています。
アンケートや試飲、インタビューといった調査から、こうした方々にすっきりした味が好まれるということが分かりました。会社の中でも外出先でも、ゴクゴクと飲んでいただければいいなと。
池田: 話は少し変わりますが、緑茶の味にブームみたいなものはあるんですかね? 今まで「緑茶の味って似たものが多いな」と思っていたのですが、メーカー各社がこれだけいろいろな味を出しているので、人気の移り変わりもあるのかなと。
宗方: そうですね。「綾鷹」が出るまでは、スッキリしたお茶に人気がありました。そこに「綾鷹」が“急須で入れた緑茶の味わい”という価値を提供したことで、ユーザーに「スッキリ以外のお茶もある」とか「選択肢が広がった」という感覚を作り出せたと思うんです。そういう意味では、新商品が新しいブームを作り出していくのだと思います。
池田: 実際のところ、ペットボトル緑茶ってどれほど売れているんですか?
宗方: 具体的な数はお答えできませんが、市場全体の規模という点では、今までは横ばいだったのが、最近はいろいろな新商品が出たことからも上向きに動いています。「綾鷹」に限って言えば、販売数量は62カ月連続で増えているんですよ。
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