新生VAIO、“ソニーじゃなくなる”とどうなる?VAIOのDNAを継承「VAIO株式会社」発足(2/5 ページ)

» 2014年07月02日 08時00分 公開
[岩城俊介,Business Media 誠]

Q:「ソニーのVAIO」ではなくなるの?

 前述した通り、ソニーのVAIOではなく、今後は「VAIO株式会社のVAIO」という別会社の商品で展開することになる。認知度・ブランド力のある“VAIO”ブランドはもちろん生き続け、製品のロゴのデザインも継承する。

 これまでの販売済みVAIOについては、以後もソニーがアフターサービスを継続する。

photo 新生VAIOのWebサイト

Q:ロゴは同じだけど、まったく違う商品になってしまうのでは?

 2014年2月、ソニーによる「PC事業の譲渡」の発表で、VAIO株式会社は「設立当初は、商品構成を見直した上で日本を中心にコンスーマーおよび法人向けPCを適切な販路を通じて販売する」とし、構成を見直して展開すると告知した。

 その通り、今回発表された製品第1弾はライトスリムモバイルモデルの「VAIO Pro 11/13」と15型スタンダード「VAIO Fit」の2シリーズに集約。形状も“キーボード付きのトラディショナルなクラムシェルノートPC”のみとした。

photo 新生VAIO「VAIO Pro 11」。天面パネルのVAIOロゴはこれまでと同じだ

 ソニー時代のVAIOは、分離タブレット型や2in1デバイス、液晶一体型デスクトップなど、ユーザーの多様な用途やニーズに合わせて多彩なラインアップを用意したが、とがった──特定のユーザーにズバリと刺さるシリーズも光った。このシリーズに多くのファンが付いた。

 VAIO株式会社の関取社長は、新生VAIOの商品テーマの1つに「VAIOのDNAを継承する」を掲げ、「PCとして、VAIOとしての本質を追求した結果、“特定のユーザーにズバリと刺さる”高付加価値の商品に集約して展開する方針」を示した。PCを必要とする業務・法人向けに、そしてPCを店頭ではなく、直販サイトでカスタマイズして買う人向けに特化して展開する。

 このことから「これまでと違うか」と問われると、受け方は人によって違うかもしれない。「PC、安ければ別にどれでもいい」なら少し外れるが、「この性能のPCを望む」と目的が明確ならズバリと刺さる商品構成になるだろう。

photo すべて商品の最終仕上げと品質チェックを安曇野本社で行う「安曇野FINISH」と呼ぶ取り組みを実施し、品質を高める

 また、すべて商品の最終仕上げと品質チェックを安曇野本社で行う「安曇野FINISH」と呼ぶこれまでなかった取り組みも導入する。一拠点に集約した体制の強みを、商品の品質を高め、ユーザー価値も高めることに結び付けるのが大きな狙いだ。

 これまでソニーでVAIO事業を手がけていたメンバーの多くが移籍し、新生VAIO事業を担う。少なくともターゲットとする前述した後者が「……こんなはずではなかった」と感じる残念な商品展開にはしないはずと期待している。

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