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» 2014年06月25日 07時30分 UPDATE

藤田正美の時事日想:金融緩和で世界にあふれた“イージーマネー”、いつになったら正常化? (1/2)

米国のFRBが金融緩和の縮小に向けて動き出しているが、これは金融上昇によるリスクもはらむ難しい問題だ。そもそも、世界的なバブルの後始末に苦労するという状況自体が、人類史上初めてなのである。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 異常な金融緩和もやがては終わり、金融政策は正常な状態に戻るのだろう。米国では、すでに年内にいわゆる量的緩和(FRB=連邦準備制度理事会が銀行から債券を買い入れ、市場に出回る通貨を増やす)を終える方向で動いている。市場もすっかりそれを織り込んだ形だ。もっとも、このまま金融緩和を続ければ、コントロール不能なインフレに陥る可能性がある。

 しかし、金融緩和を終わらせるのもまた厄介な話なのだ。緩和を縮小するというのは金利が上がることにほかならない。すでに英国の中央銀行であるイングランド銀行のカーニー総裁は「市場がいま考えているよりは早いタイミングで金利が上昇するだろう」と警鐘を鳴らした。住宅価格が急上昇している英国は、新たなバブルを抑え込まなければならないという気持ちも強い。

 米国のFRBは、金利を当面据え置くと言明している。量的緩和を縮小すると言っただけで市場が混乱したのだから、ここで金利の引き上げを宣言すれば、また市場が混乱するという配慮かもしれない。もちろん金利を引き上げると言えば、株価は下がるはずだ。

 ただFRBの中でも「いつまでも金利を低く抑えておくことはできない」という議論もある。中央銀行が最も警戒すべきインフレが解き放たれる可能性があるためだ。もしまた株や住宅といった資産バブルが発生すれば、次の金融危機を引き起こす源にもなりかねない。もっとも現時点では、米国も英国もインフレ率は中央銀行のターゲットである2%を下回っている。利上げ慎重派はそこをとらえて、まだ利上げの機運は熟していないと反論する。

photo FRBは金融緩和を縮小する方向で動いている
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