社会人の残業は平均47時間、残業が多い業界は?40歳手前から減少傾向

» 2014年06月24日 19時15分 公開
[Business Media 誠]

 最も残業時間が多いのはどの業界か。就職や転職情報などを扱うVorkers(ボーカーズ)は6月24日、残業時間に関する調査リポートを発表した。

 同社のサービスに登録しているビジネスパーソンの残業時間を調査したところ、最も残業時間が多い業界は「コンサルティング・シンクタンク」で月83.5時間となり、2位は「広告代理店、PR、SP、デザイン」で月78.6時間、3位が「建築、土木、設計、設備工事」で月70.8時間となることが分かった。ボーカーズは「成果物を生み出す仕事が多く、締切までに一定以上の品質を達成するために残業時間が長くなってしまうのではないか」と推測している。

photo 業界別残業時間(月間)ランキングTOP30(出典:ボーカーズ)

 一方で、上位30位に入らなかった業界には「自動車、自動車部品」、輸送機械」、「日用品、化粧品」、「化学、石油、ガラス、セラミック」、「電力、ガス、エネルギー」など、いわゆる“第二次産業”に属する業界が多かったという。「社歴が長く、人事制度や労働組合が確立されている企業が多いことから、残業時間に対しても組織的な歯止めがかかっているからだと考えられる」(ボーカーズ)。

平均残業時間は40歳手前から減少傾向、平均は約47時間

 平均残業時間を年齢別に見ると、20〜30代にかけてはほぼ50時間前後で変わらないが、40歳手前から減少傾向になることが分かった。「体力面の問題や管理職となり現場から離れることで、残業の必要性が低下することなどが考えられる」(ボーカーズ)という。

photo 年齢別の残業時間(出典:ボーカーズ)
photo 残業時間別の割合(出典:ボーカーズ)

 残業時間別の割合は「30時間」程度が14.5%と最も多く、「40時間」程度が13.7%、「20時間」程度が13%と続いた。毎月の勤務日数が20日前後と仮定すると、1日あたり1〜2時間の残業をする人が全体の41.2%を占める結果となった。全体の平均残業時間は約47時間という。

 現在安倍政権が、年収が1000万円を超える社員のほか、労働組合との合意で認められた社員に対し、労働時間規制の適用除外(ホワイトカラー・エグゼンプション)を検討しているが、ボーカーズは「コンサルティングなど、すでに労働時間が長い職種や年収層に対して『ホワイトカラー・エグゼンプション』を導入しても、労働時間が短くなるとは考えにくいが、企業には労働時間規制に縛られない人材活用が、個人には労働時間の自己裁量という点で『柔軟性』を作り出せるかもしれない」とコメントしている。

 会社員が投稿したリポートによる調査で、回答者の総数はのべ6万8853人。調査期間は2007年7月〜2014年5月。

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